目次
そこんとこ詳しく教えて。
こんな疑問にお答えします。
この記事でわかること
現代では「転職時代」「副業時代」「個の時代」とか言われて、企業と個人の仕事の関係が大きく見直されています。
そんな中で今までのような仕事観でいると、将来取り残されてしまいかねません。
では、具体的にキャリアを考えるためには何を考えたらよいのか?
キャリアを考える2つの要素
- 外部要因を知る(世間の動向)
- 内部要因を知る(自分自身)
これらを知ることで、あなたが今後どのようにキャリア形成していきたいのかが、ぼんやり見えてきます。
この記事では、キャリア形成について、2021年の社会の動向も含めて”わかりやすく”解説していきます。
10分程度で読めます。
ではよろしくお願いします。
こんな方におすすめ
- 今の仕事を続けてていい?
- 今後は転職も検討しないといけない?
- 将来のために自分のキャリアを考えたい
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キャリア形成とは「状況やタイミングに合わせて考える計画と実行」
まずキャリア形成とは「状況やタイミングに合わせて考える計画と実行」を言います。
よくキャリアというと、「仕事の目標を実現すること」と捉えられますが、これはキャリア形成の考え方の一面でしかありません。
以下のような場合には、仕事の目標を実現できないからです。
- 目標が明確でない
- 自分の理想がわからない
- 何がしたいのかわからない
- 現実を見ると目標が程遠い
だからキャリア形成の過程は、常に目標に向かって進むだけではないのです。
となると、キャリア形成においては「個々の状況やタイミングに合わせて柔軟に計画を変化させ、実行していく」ことが重要になります。
キャリア形成において柔軟性が必要な理由は、外部要因と内部要因の変化
キャリア形成において柔軟性が必要なのは、社会の変化(外部要因)とライフスタイルの変化(内部要因)があるからです。
簡単に言えば、変化の激しい社会の中で20代前半で描いたキャリアプランが、10年後も通用するかと言うとそうではないですよね。
また、20代前半と30代前半ではあなた自身の生活スタイルも大きく変わっているでしょう。
その状況で、10年前のキャリアプランを適用しようとしても、ほぼほぼ合わないです。
ではどのようにキャリア形成を考えていけばいいのか。外部要因と内部要因から考えていきましょう。
キャリア形成に影響する外部要因
外部要因がどのように変化しているのかを知るには、PESTというフレームワークが有用です。
- Politics:政治
- Economy:経済
- Society:社会
- Technology:技術
これから先の世の中は、これら4つの要素が変化を生み出していきます。
例えば政治。
政治政権がどう変わるのか、諸外国との関係はどうなっていくのか、これから先のアメリカはどうなっていくのか、そんなことは本当に多くの人に影響を及ぼします。
次は経済。
例えば今株価は非常に高い状況です。
この先どうなるか、為替の状況、仮想通貨これがどんな影響を及ぼすのか、と言ったことも、多くの方のこれから先の人生に影響を及ぼすはずです。
そして社会。
日本はこれから間違いなく少子高齢化が進みます。
もしくはその影響でなくなってしまう自治体もあるかもしれない。大きなうねりが社会という側面からも怒ってくるはずです。
最後にテクノロジー。
人工知能 IoT ロボットそういった言葉を目にしない日はなくなりました。
スマホも自動運転もAIもVRも、テクノロジーが我々の生活やビジネスに大きな変化をもたらしています。
そのため、キャリア形成においては外部要因は絶対に無視できない要因となります。
「これらの外部要因は自分のキャリアにどのような変化をもたらすのか」これを考えないと、これから先のキャリア形成は困難になります。
社会(Society)の変化の現実を見ているか
社会(Society)の変化はここ10年で確実に私たちのキャリアに影響を与えています。
その現実をちゃんと見れる人と、現実から目をそむける人では、キャリア形成に大きな差が出ます。
その現実を表すのが以下の2つ。
- 日本の人口の推移
- 人と企業の寿命
日本の人口では現在は3人で一人の老人を支る社会構造になっています。
しかし、10年後20年後30年後を見てみるとほぼ一人で1人を支えるという時代が来ることは明らかです。
ちなみに人口統計は「最も当たる統計」と言われていて、この状況になることはもう避けられない。
人口分布を見てみればもう日本の人口ピラミッドは既に壷の形になっているわけです。
そしてその結果私たちのキャリア形成に何が起こっているか。
それは次の4つ。
- 終身雇用の崩壊
- 60歳定年はもうありえない
- ポジションが不足し上がらない給料
- 元気な間は現役で働かなければならない
企業は社員を定年まで守れず、若い世代も高齢者を支えられず、上がらない給料の中で、動けるうちは生涯働かなくてはいけない。
そういう近い未来を生きることになるのが私たちです。
また、人の寿命と企業の寿命を比較しても、人が働く寿命の方が約4倍近く長い。
つまり、あなたのキャリアの中で「働く企業が1社だけ」ということはほぼありえない。と言う事です。
他社で働くならば、新たに学ぶことも多い。
学びと働きのサイクルを何度も回さなければいけない状況です。
言ってみると、学びながら働き、働きながら学ぶ、このようなキャリア形成が必要になります。
この辺は、ベストセラーの『LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略』でも語られていることなので、【要約・図解】LIFE SHIFT/ライフシフトに学ぶ|ワークライフバランスがないと不幸になるに目を通しておいて欲しいですね。
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【要約・図解】LIFE SHIFT/ライフシフトに学ぶ|ワークライフバランスがないと不幸になる
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働き方改革、政府もこのようなキーワードをこの数年使っていますし、副業の話もだいぶ盛り上がってきています。
「1つの会社とだけ契約を結び、雇用されている」という仕組みから、「複数社と契約する」「週末は副業をする」そんな時代に企業も対応を始めています。
将来は今までのように一つの企業と契約を結び一生その会社に勤めるというよりも、月曜日から金曜日まではメインの会社で、土日はある会社とプロジェクトをやり、土日は NPO で自分の時間を使い、 これが至極当たり前のようになってくるのではないでしょうか
社会の変化の現実見ると、私達がキャリア形成で考えなくてはいけないことは以下のようなことです。
社会の変化に見る今の仕事への問い
- この先40年50年60年、いつでも雇ってもらえる能力を獲得できるか
- そのような能力を常に開発し続けていけるか
- 能力開発し続ける覚悟や習慣、環境を整えられているか
- 複数の会社でマルチの仕事をこなしていく能力を獲得できるか
- 今評価されている能力やスキルはこの先も評価され続けるか
- 新しい仕事を紹介してくれるネットワークを作っていけるか
- 今の組織がなくなっても、個人として価値を発揮することができるか
これらを実現できないと感じる人は、今からキャリア形成を真剣に始めてみることをおすすめします。
技術(Technology)の革新であなたの仕事はなくなる
話をテクノロジーの方に向けてみます。
実は技術革新で、日本のホワイトカラーの仕事の約50%は2030年~2040年頃までに何らかの形で機械に取って代わられると言われています。(オクスフォード大学の研究)
いろんな見方があると思いますが、今ざっくり起こっていることは以下の4つでしょう。
- AIの発展
- ロボットへのAI適用
- IoTによるビッグデータの収集
- ビッグデータのAIへのフィードバック
①人工知能AIは、たくさんのデータからパターンを見出し、そしてそのパターンを使って色んな処理をしていくいわゆる AI と言われるものがだいぶ発展をしてきました。
②そしてこの AI で処理されたものというのが今度は実際に物を掴むとか物を動かすという物理的に稼働するロボットに適用されていきます。
③同時にそういうものから得られたデータを色んな所に埋め込まれたセンサーで取得し、そのデータがビックデータとして再び人工知能に活用されてくる。
つまり、人工知能-ロボット‐IoT-ビッグデータと言ったものが循環し、高速で進化を遂げているわけです。
これが仕事にどう影響するのか。
例えばGoogle翻訳。
ほんの数年前は翻訳もめちゃくちゃで全く使いものにならない代物が、今では十分意味の通る文章になっています。
しかもリアルタイムで翻訳するツールもあります。
つまり、 Google 翻訳の結果に取って代わられるレベルの翻訳というのは、人間がやる必要はもう明らかにないわけです。
このテクノジーの発展から、私達が捨てなければいけないキャリア観は以下です。
足枷になる旧パラダイム
- 私が勤めている会社が潰れない
- 変化を望まなければ、今の会社に勤め続けられる
- 年齢を重ねれば自動的に役職や年収が上がっていく
- 複雑で難易度が高い私の仕事はテクノロジーに奪われることはない
- 目の前の仕事で実績を出せば他社でも通用する力が身につく
- 社会に出て仕事以外から学ぶのは特別な人がすることだ
こんな昔のパラダイムは捨てないと未来は暗いです。
すでに転職と複業でキャリア形成する時代だと気付けない日本の建設社員
ここまで解説してきた外部要因は、実はもう一般的で、多くの人が自身のキャリア形成を見直し始めています。
しかし、こういった時代の流れに取り残されている人達もいます。
その代表は日本の建設系の社員です。
建設業は何をするにも時代の1歩2歩後ろを歩いています。
- 未だに電子化されない書類
- 一向に進まない働き方改革
- 伝統的な根性論と盲目的な企業への奉公
- DX化と名打った、ただの写真台帳
業界内にいるものとして、正直恥ずかしくもあります。
建設業は、仮囲いとゲートで閉ざされた世界にいるため、外で起こっている時代の変化に取り残されています。
今までのように会社にすべてを捧げても、会社は将来を何も保証してくれません。
自分の未来は自分で守るほかないのですが、会社に縛られ動けないために、ニッチもサッチも行かない状態になってしまっている。
それに気付いている人は、実績を作ってからヘッドハントされたり、若手のうちにキャリアチェンジしたり、先手を打つ行動をしています。
気付けていない人との格差は開くばかりです。
転職に必要なキャリア形成の考え方
では具体的にキャリアを考えよう。しかし、何から始めていいかわからない。
それが正直なところかと思います。
そこで、ここからはキャリア形成を考える際の2つの型をご紹介します。
①山登り型のキャリア形成
山登り型のキャリア形成は、「目標を掲げて、それに向かって次のステップを踏んでいく」タイプです。
目指す理想と、そこに至るまでのプランを明確にすることで、着実にキャリア形成していくことができます。
このメリットデメリットは以下です。
メリット
- 迷いなくキャリアを積める
- 周囲からの協力も得やすい
- 成功がよりわかりやすい
デメリット
- 目標が明確でないと意味がない
- 道が閉ざされると挫折しやすい
- 目標の定め方を誤ると理想のキャリア形成ができない
この山登り型のキャリア形成に大事なのは、「専門性領域の選択」です。
あなたの価値観をもとに、覚悟を決めることが必要になります。
※参考:シャイン「キャリア・アンカー」
②川下り型のキャリア形成
目標を掲げ、次のステップまでを明確に定めるのは、社会人1年目でも10年目でもとても難しいです。
また、「特別な目標を掲げることが苦手」という人もいます。
そういった人が時代に淘汰されずに、キャリア形成をしていく方法は、川下り型のキャリア形成です。
「目の前のことを一つひとつ乗り越えながら学んでいく」という意識でキャリア形成を行いますが、見方によっては場当たり的と捉える人もいます。
しかしこの際に大事になるのは、目標や計画を精緻に描くことではなく、「経験を自分の糧する意識」と「学ぶ姿勢」です。
山登り型のキャリア形成が、目標達成までのひとつの道を行く、”専門特化型”とするならば、
川下り型のキャリア形成は、広く知識を取り入れやれることを増やしていく、”俯瞰成長型”といえます。
※参考:クランボルツ「計画された偶発性」
キャリア形成で意識する3つのポイント
キャリア形成で意識するポイントは3つあります。
キャリア形成の3つのポイント
- 考えるのではなく、行動する
- 自分のキャリアアンカーを把握する
- 自分のキャリアデザインは「主観的」で「感情的」であることを理解する
それぞれ、解説します。
①考えるのではなく、行動する
キャリア形成においては、考えることよりも行動することの方が優先順位が高いです。
よく
このときに
と聞くと、
という方も少なくありません。
行動なしのキャリアプランは、ただの絵に描いた餅です。
キャリアを形成していくのは、”行動”だけです。
②自分のキャリアアンカーを把握する
キャリア形成を成功させるには、自分のキャリアアンカーを把握しておくことが非常に重要です。
キャリアアンカーとは、あなたがキャリアを形成する上で重要な3つの要素[価値観・やりたいこと・できること]が組み合わさった点の事をいいます。
【参考】キャリアアンカー
8種類のカテゴリーに分けられ、自分がどのカテゴリーが強いかを知ることで、自分のキャリアアンカーを把握することができます。
1人の人のキャリアアンカーに合致した仕事は、充実度やパフォーマンスが高く、的確にキャリア形成をすることができます。
キャリアアンカーの診断で面白いサイトがあったので、参考に貼っておきます。
キャリアアンカーの診断方法
シャイン氏が提唱するキャリアアンカー診断。全部で40問ありますが、無料で診断する事ができます。
参考:https://chikaku-navi.com/carrier/
③自分のキャリアデザインは「独りよがり」であることを理解する
キャリア形成に重要なことは、描くキャリアが「客観的」で「合理的」であることです。
しかし、実際にキャリアを描いていても、その99%は「主観的」「感情的」です。
その理由は、市場からどう評価されているかを、ほとんどの人が知らないから。
あなたの描いたキャリアは、市場でどれほどの需要があり、どれほどの年収で雇用されているのか、説明できますか?
「客観的」「合理的」とは、周囲から見た自分の状況と評価です。
的確にキャリア形成している人は、この「客観的」「合理的」な評価を十分に把握しています。
そういった人達は主に以下のような方法で自分を把握しています。
- 転職情報を集めている
- 転職活動をした事がある
- 自分で仕事を請けている
つまり、外の世界を見ている。もしくは外の世界へ出ている。
最初のポイントでもお伝えしましたが、自分の頭で考えているだけではダメ。
必ず、自分の考えと外の世界との差を確認する「行動」が必要になります。
キャリア形成に必要な3つの力
キャリア形成を実現していくためには、必ず必要になる3つの力があります。
それが、経済産業省がまとめている「人生100年時代の社会人基礎力」です。
キャリア形成に必要な3つの力
- 前に踏み出す力(3つの要素)
- 考え抜く力(3つの要素)
- チームで働く力(6つの要素)
キャリア形成に必要な3つ視点
- どう活躍するか【目的】
- どのように学ぶか【統合】
- 何を学ぶか【学び】
これらすべてを通して、振り返りと改善ができることが必要です。
見れば見るほど当たり前の事が書いてありますが、
簡単に言うと、「課題を自ら発見し、チームの中で、主体的に行動できる人材」
そして、「キャリア形成の目的と学びの方法、学びの継続を振り返って改善していける人材」
と言い換えられます。
対人関係能力は重要性が低くなるということはないですし、問題をそもそも設定する力、何が問題なんだという課題発見力も重要性は高まっています。
この先のキャリア形成で最も大事なこと
この先のキャリア形成で最も大事なことは「自分自身の能力開発を継続すること」です。
変化の激しい時代にたった一つのスキルや能力で40年、50年のキャリアを生きれる人は少ないでしょう。
変化に対応するために広い視野を持つ。
そして、必要な能力を学び続ける。
そういった「継続していく環境と姿勢」が、これから先のビジネスリーダーに求められるスキルです。
この最も重要な環境と姿勢を獲得している、もしくは獲得しようと努力している人だけが、AIやロボットに取って代わられない仕事を作る人達に今後なっていきます。
キャリア形成に必要な考え方|まとめ
ではこの記事のポイントをまとめします。
キャリア形成の考え方
キャリア形成は柔軟性が必要
外部要因の変化に対応する
社会と技術の変化に目を向ける
建設業は取り残されている
キャリアは山登りだけではない
客観的・合理的なキャリアを計画する
最も大事なことは継続的な能力開発の環境と姿勢
今後さらに世の中は大きく変化します。
世の中が変われば求められる人材が変わります。
ということは求められる能力が変わるということです。
ということは、私達は学び続けなければいけない。
会社はもう私達を守ってはくれません。
変化に対応できる能力を持った人にとってみれば、世の中全体の大きな変化というのはチャンスでしょう。
しかし、変化に対応できない環境にいる人はどうでしょうか?
格差は広がるばかりです。
長く続くこれから先のキャリアを、自分にとってのチャンスに変えるためには、主体的にキャリア形成できる環境に身を置く方が賢明です。
ぜひあなたの人生と、キャリアについてもう一度検討してみてください。
キャリア相談サービスについて詳しく解説しているブログ(ともくらぶ)も参考にしてください。
転職を検討している方の参考になる記事を紹介しておきます。
まだ転職をしたことがない人は、ぜひこちらは読んでおいてください。
参考転職エージェントの選び方|彼らはウラで何を考えているのか?失敗しない8つのポイント
選び方を間違えると大きな失敗につながるので、知識として知っておいていい内容です。
では、今回はこの辺で。
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