目次
建設業界に入るか迷っている方向けの記事です。
建設業はクズばかりというイメージを持っている人もいるかと思います。
しかし、このイメージだけで建設業を決めつけてしまうのは非常にもったいない。
実は、建設業で働く人達はクズばかりではありません。
5分ほどこの記事読むだけで、実際に関わることになる本当の建設業界の関係者の傾向を知ることができますし、あなたが建設業で働けるか判断できるようになるので、ぜひ読んでみてください。
この記事でわかること
- 建設業は「クズばかり」と言われる要因の一つは、一部の人間の問題行動がメディアに取り上げられること。
- 警視庁のデータから、建設業従事者の犯罪件数は全体の3位。
- 体感としては素晴らしい人格者も多い。
- 問題行動は建設業全体のイメージに影響を与え、信頼性や評価が低下する可能性がある。
- マナーの悪さや不誠実な対応は、優秀な人材の流出などの悪循環になる。
- 建設業のイメージを改善するためには、倫理規範の強化、問題行動者の摘発、コミュニケーションの重視などが重要な取り組み。
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建設業はクズばかりと言われる5つの理由
建設業はクズばかりと言われるのはなぜか?
経験を元にその主な理由を5つ紹介します。
①一部の問題行動者がメディアに出る
建設業界が「クズばかり」と言われる要因の一つは一部の問題行動者です。
これは建設業界は多様な人材が集まるため、中には社会的なルールや倫理を守らない人もいるからです。
例えば、マナーの悪い人やプライベートでの問題行動、中にはあおり運転などの犯罪を犯す人もいます。
こういった非社会的な行動を起こす人がメディアで広く取り上げられることが、建設業は「クズばかり」と言われる要因の一つです。
②見た目が怖い
建設現場では、重機や作業服を着た作業員たちが活動しているため、見た目が怖いと感じる人もいます。
見た目のイメージとメディアで報道されるイメージをつなげて、クズだと考える人もいるでしょう。
③声が大きい・口調が荒い
建設現場では安全を守るため、作業効率を上げるために声を大きく出すことが必要です。また、現場では端的に強く伝えないと危険な場合もあります。
しかし、それが現場ではなく、一般社会の場合は声の大きさや口調の荒さが迷惑と取られることもあります。
④ガラが悪い
建設業界の中には「ガラの悪い人」もいます。
ガラが悪いのは世間のイメージでは、「粗暴で他人への配慮が欠けている人」かもしれません。
しかし、ガラの悪い人でも中身は優しく、仕事に熱心で他人への思いやりのある人も多くいます。
⑤社会不適合という偏見
令和の時代になっても、建設現場の職員達を見て「〇〇ちゃんも勉強しないとこうなっちゃうよ」のようなことを子供に言う親もいます。
この偏見が"クズ"と結びついているケースが多くあります。
建設業界は、高齢化や人手不足で多くの企業が新しい人材を求めているため、意欲があれば経歴問わず就職しやすい業界です。
一般的な企業からは敬遠されるような経歴の人も中にはいるでしょう。しかし、だからといって"クズ"かどうかは別の話です。
建設業のクズな行動の特徴と要因
建設業界でのクズな行動は、自己中心的かつ他者や現場の環境を軽視するような特徴があります。
例えば、現場を汚してもそのまま。近隣住民の苦情に対して反抗的な態度と言動など。
また、建設現場や入札プロセスにおいては、贈収賄や違法な利益供与が行われるケースもあります。
このような行動は、組織内の風土や倫理規範の欠如などが原因となることが多く、倫理観の欠如や協調性の低さなどが背景にあります。
建設業のクズな行動の具体例
建設業界でのクズ行動には様々な具体例が存在します。
例えば、作業環境への無関心や不適切な発言、職務放棄、盗難行為などが挙げられます。
これらの行動は、現場の安全や効率に悪影響を与えるばかりでなく、他の従業員や関係者の信頼を失わせる結果となります。
本当に建設業はクズばかりなのか?データと体感
建設業界におけるクズな行動をする人がどれほどいるかは、一概に言えません。
ゼネコンで施工管理をしていた個人的な体感では”クズばかり”と言われるほど多いとは感じませんでした。
しかし、クズな行動の中に”犯罪”も含まれていると考えた場合は、職業別の犯罪数でおおまかな割合を把握できます。
警視庁のデータを元に職業別の犯罪数を調査した結果と、筆者のこれまでの経験で感じている体感について紹介します。
データ
職業別の犯罪数を見ると、無職者が圧倒的に多く全体の24.3%、次いで年金雇用保険等生活者が12.1%、3位に建設業従事者の6.5%で、4位に高校生(4.5%)、5位に飲食業従事者(3.4%)という結果でした。
残念ながら、就業している人の中では建設業従事者が犯罪数TOPとなっています。
傾向
クズ行動をする人々の傾向としては、以下のような特徴が考えられます。
- 労働条件に不満を持ち、ストレスを抱えている人
- 短期的な利益や個人の利益を優先する人
- 倫理観や道徳観念に欠ける人
- コミュニケーションや協力関係の構築に難がある人
- 教育や研修の不足などにより、適切な職業倫理を身につけていない人
体感
警視庁のデータでは犯罪を犯す人は建設業従事者に多いという結果でしたが、実際の体感ではそれほど悪い人は多くない印象でした。
ただ、クセのある人は確かに多く、社会性という面では評価が難しい人もいます。
例えば、友人のパートナーは土木の運送会社を経営していますが、友人からは良い話を聞きません。
ですが、筆者と仕事をしていた協力業者の方々や先輩達は人格者も多く、特に職長クラスの方々はモノづくりに対する意識や人を見る目など、様々な面で尊敬できる人たちばかりでした。
このように、クズばかりか?と聞かれるとそうではないです。ただ、一部クズと言われても仕方がない人もいることは体感としても事実かもしれません。
建設業界のクズな行動と他の業界との比較
建設業界におけるクズな行動は、他の業界と比較してどのような特徴があるのでしょうか。以下で詳しく解説します。
フィジカルな労働環境との関連性
建設業界はフィジカルな労働環境が求められるため、ストレスや疲労が蓄積しやすいという特徴があります。
そのため、クズな行動が他の業界よりも顕著に現れる場合があると考えられます。
階層的な組織構造の影響
建設業界は多くの場合、階層的な組織構造が存在します。
上司と部下の関係性が厳しく、パワーバランスの偏りが生じることがあります。
このような組織構造がクズな行動を引き起こすひとつの要因です。
業界固有の文化や伝統
建設業界には独自の文化や伝統が存在し、これらがクズな行動の発生に影響を与えることがあります。
例えば、男性中心の業界であるため、男性的な価値観や行動パターンが強く根付いています。
多様性がなく、偏った軸で行動の判断をし続けている場合、社会の常識から外れてしまう可能性があることも、他業界との違いの一つです。
プロジェクトの特性と協力関係
建設業界は多くの場合、プロジェクトごとに異なるチームが組まれます。
特に、締め切りや予算の制約などがある場合の競争や葛藤が、社会人として適切でない行動を増加させる可能性があります。
建設業のクズな行動の背景に関与する社会的な要素
建設業界におけるクズな行動の背景には、社会的な要素が関与していることがあります。
以下では、その要素について詳しく解説していきます。
社会的な価値観の影響
社会的な価値観は、行動に大きな影響を与える要素の一つです。
建設業界においては、一部の人々の間で「ガツガツしていることが評価される」という風潮が存在することがあります。
このような環境下では、クズな行動を行うことで一時的な成功や地位向上を目指す人々が現れることがあります。
経済的な要因
経済的な要因も、行動の背景に関与する重要な要素です。
建設業界はプロジェクトごとに受注や競争入札が行われます。
利益を最大化するためには、工期の短縮やコスト削減が求められることがあります。
このような圧迫された状況下では、社会人として適切でない行動に迫られる可能性があります。
教育や育成の不足
建設業界における教育や育成の不足も、非社会的行動の背景に関与する要素の一つです。
クズな行動は、倫理観や職業倫理の欠如から生じることがありますが、これらの欠如は適切な教育や育成が行われないことに起因する場合があります。
業界のイメージと社会的な評価
建設業界のイメージや社会的な評価も、行動に影響を与える要素の一つです。
一部の問題行動を起こした人が注目されることで、業界全体の評判や信頼度が低下している可能性があります。
このような状況下では、非社会的な行動が広まりやすくなることが考えられます。
クズな行動による建設業界の評判や信頼度への影響
クズ行動が建設業界に与える影響は大きく、業界の評判や信頼度に深刻な影響を及ぼすことがあります。
以下では、その具体的な影響について詳しく解説していきます。
業界の評判の低下
クズな行動が頻繁に起きると、一般の人々や関係者の間で建設業界全体の評判が低下する傾向があります。
非社会的行動が社会問題となり、報道されることで一般的なイメージが悪化し、建設業界全体の信頼度が低下します。
信頼関係の損失
建設業界は、顧客や取引先との信頼関係が重要です。
しかし、クズな行動が頻繁に行われる状況では、顧客や取引先は建設業界全体に対して不信感を抱きます。
信頼関係の損失は、ビジネスの成立や長期的な発展に悪影響を及ぼすことがあります。
業界への批判や規制の増加
クズ行動が問題視されると、社会からの批判や規制の増加が予想されます。
政府や関連団体は、クズ行動の防止や改善策を求める声に応えるために、業界への規制強化や法的な対応を検討することがあります。
これにより、業界全体に対する監督体制が強化される可能性があります。
優秀な人材の流出
クズ行動の問題が深刻化すると、優秀な人材の流出が起こる可能性があります。
優秀な人材は自身の評判やキャリアに懸念を抱き、他の業界への転職を検討する場合があります。
これにより、建設業界は人材不足に直面し、業績や技術力の低下につながる可能性があります。
クズ行動の予防や改善の取り組み方
倫理規範の策定と徹底
建設業界では、明確な倫理規範を策定し、全ての関係者に周知徹底することが必要です。倫理規範には、適切な職業倫理の基準や行動指針が含まれ、クズ行動を防止するための基盤となります。
適正な人材選考と評価
建設業界では、適正な人材選考と評価を行うことが重要です。採用プロセスにおいては、応募者の倫理観や道徳教育の有無を評価し、クズ行動を起こしにくい人材を選ぶようにします。また、定期的な評価やフィードバックを通じて、倫理的な行動を評価し、意識の向上を促します。
リーダーシップの育成
建設業界では、リーダーシップの育成が不可欠です。リーダーは、倫理規範の徹底や倫理的な行動のモデルとなる存在です。リーダーシップの育成には、リーダー研修やマネジメントトレーニングなどが有効です。
ユーザーの声への真摯な対応
建設業界では、ユーザーの声やフィードバックへの真摯な対応が求められます。不具合やトラブルが発生した場合には、迅速かつ適切な対応を行い、信頼関係を築くよう努めます。
クズばかりと言われる建設業はキャリアアップのチャンスが豊富
クズばかりと言われる建設業ですが、データや理屈上はクズな人間に会う確率は高いかもしれません。
しかし、実際に働く場にはクズと言われるような人はあまりいないのが実態です。
また、仮にクズな人間がいたとしても、そういった人達は長く同じ場所にはいられないでしょう。
建設業は専門職としてキャリアアップがしやすい業界です。
未経験でも入りやすく、手に職をつけることができます。
悪い情報や良い情報のどちらかだけに偏らず、双方の情報を確認して建設業に入るか判断していきましょう。
未経験から良い施工管理への転職する具体的な方法は、こちらの記事で詳しく解説しているので参考にしてみてください。
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この記事のライター
- 建設・不動産業界でキャリア14年目
- 元ゼネコン所長
- 現職:不動産ディベロッパー建築部門チーフ
- 一級建築士・一級建築施工管理・宅建士ほか
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よこてん
施工王ライター