目次
施工管理は業界内にも異業種にも転職しやすい職種です。
しかし、転職する際には注意点もあります。
この記事では、施工管理が転職しやすい理由、おすすめの職種の紹介、施工管理が転職するときの注意点について詳しく解説します。
施工管理の転職先を探している人にとっては、今後の転職先選びの参考にすることができますので、ぜひ参考にしてみてください。
この記事でわかること
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施工管理が転職しやすい理由
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施工管理が転職を検討しやすい求人条件
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施工管理から転職しやすい職種
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施工管理からの転職におすすめの異業種
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施工管理から転職する際の注意点
こんな方におすすめ
- 施工管理からの転職を考えている方
- 施工管理は転職できないのでは?と思っている方
- 施工管理以外の職種へ転職を検討している方
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関連施工管理は異業種に転職できる?NG転職5選とおすすめ転職3選
施工管理は転職しやすい
施工管理は実は転職しやすい職種です。
なぜなら、建設業界における施工管理の業務は多岐わたっており、施工管理のスキルを持った人材は実は転職市場で高く評価されているからです。
また、施工管理に必要なスキルは他の業界でも活かせるため、転職に向いていると言われています。
例えば、不動産デベロッパーやファシリティマネージャーなどは品質管理や工程管理、プロジェクトマネジメントのスキルが必要であり、施工管理経験者はこれらのマネジメントスキルを有していると企業から評価されます。
これらのマネジメントスキルは若手の施工管理でも素養があると見られるため、施工管理は他職よりも転職しやすい職種です。
施工管理が転職しやすい理由の5つのスキル
施工管理が転職しやすい理由は5つスキルを有していると企業から評価されるからです。
- 段取り能力
- 工程管理能力
- 柔軟な対応能力
- 緻密なマネジメント能力
- コミュニケーション能力(人を動かすスキル)
①段取り能力
施工管理は段取り能力を鍛えられており、転職市場でも評価が高いです。
なぜなら、他職種でも段取りは重要な能力としての認識があり、成果を出せる人材の需要が高いからです。
施工管理では、現場、検査、施主対応、社内会議、社内行事ほか、常に段取りをしておくことが求められます。
段取りを日頃から行っている施工管理は、他職種の人材よりも段取り力に長けています。
転職するとわかりますが、他職種では管理職クラスでも仕事の段取りができない人がほとんどのため、施工管理は転職に有利です。
②工程管理能力
施工管理の工程管理の能力は転職市場でも高く評価されます。
なぜなら、どの仕事でも必ず期間があり、工程を管理していく能力は必須だからです。
段取り能力と同様に、施工管理は日頃から工程を意識して仕事をしていますが、他職種・他業種では、この工程を管理できない人材が驚くほど多くいます。
施工管理で経験してきた工程管理能力は、他職種でも十分に活きるスキルなので、転職市場でも評価が高いです。
③柔軟な対応力
施工管理の柔軟な対応能力も施工管理が転職しやすいポイントの一つです。
なぜなら、どんな仕事をする上でもトラブルは必ず発生し、対応が必要になるからです。
施工管理の場合、現場での様々なトラブルに対し、状況に応じた柔軟な対応を日常的に行っています。
この対応力は、他の業界でも重宝されるため、施工管理が転職しやすい理由の一つとなっています。
④緻密なマネジメント能力
施工管理のマネジメント能力は転職市場でも高く評価されます。
施工管理では、数人〜数百人の所員や協力業者をまとめて、抜け漏れなく緻密にマネジメントしながら、工事を円滑に進めることが求められます。
それも管理する項目は、品質、コスト、工程のほか、安全までもマネジメントを行います。
このようなマネジメントは、他職種では部長クラスの管理職でも実施していないほど難易度の高い業務です。
この緻密なマネジメント能力は、どの企業からもニーズが高いため、施工管理が転職しやすいポイントの一つとなっています。
⑤コミュニケーション能力(人を動かすスキル)
施工管理は、コミュニケーション能力の中でも、人を動かすスキルに長けていて、この能力は転職の市場でも高く評価されています。
なぜなら、企業は自分が動くよりも、人を上手に動かして大きな成果を出せる人材を求めているからです。
例えば、施工管理は、常に協力業者に動いてもらいながら仕事をしますが、これは他職種の上司が部下を動かして管理するより難しく、施工管理は自然とコミュニケーション能力が向上しています。
コミュニケーション能力が高く、人を動かせる施工管理は他職種でも経験が活きるため、転職しやすいです。
施工管理が転職したくなる10の理由
施工管理高い実務能力が身につく反面、多くのデメリットがあるため、転職を考える人も多いです。
以下に、施工管理者が転職したくなる10の理由を紹介します。
①プライベートとの両立が難しいから
施工管理は、責任も重く長時間労働かつ休日も少ないため、仕事とプライベートのバランスが取りにくいと感じる人が多いです。
また、現場ごとに転勤や夜勤が必要となるケースもあり、家族との時間を確保することが難しいと感じる人もいます。
②常に板ばさみで精神的につらいから
施工管理は、建設業界の中でもプレッシャーの高い仕事です。
施工管理者は常に板ばさみになることが多く、係員であれば上司と職人さん、主任クラスであれば現場と会社、所長クラスであれば、施主と会社と近隣など、ストレスや精神的な負担が大きいと感じる人がいます。
多方面から責められ、逃げ場がなくなることで精神の健康を崩してしまう人も少なくありません。
③業界風土に合わないから
施工管理が働く会社の風土に合わないと感じることもあります。
特に建設業界には古い慣習が未だに残っています。
日建協が毎年実施している現役建設業外勤者8500人へのアンケート調査でも、3人に1人以上が「前近代的な体質が残っている」と回答しているのが実態です。
このように、業界の風土が合わず、転職したくなる施工管理は多くいます。
④雑用などの細かな仕事が多いから
施工管理は、建設プロジェクトに必要な細かな仕事も多くあり、現場の管理だけでなく、事務処理や書類作成なども担当することがあります。
このような雑用などの仕事が多いと感じる人は、転職を考えるケースがあるようです。
⑤資格を取りたいから
建設業界では、施工管理者には様々な資格が必要です。
しかし、資格を取得したくても仕事で忙しく勉強時間が取れないなどの理由で、転職を考える人もいます。
自分が持っている資格が少ないと感じる人や、新しい資格を取得したいと思っている人も多く、資格取得の時間が取れない場合は転職が検討されることが多いです。
⑥いまだにパワハラがあるから
建設業ではいまだにパワハラがあるケースもあります。
特に、建設業では現場と現場事務所という仮囲いなどで囲われた狭い世界で仕事を行っています。
狭い世界では、客観的にはおかしいとされることでも黙認されてしまうケースもあり、いまだにパワハラを理由として転職を検討する施工管理もいます。
⑦職場環境が整っていないから
現場で働く環境は、天候や季節に左右されます。
例えば、夏場は暑さや熱中症のリスクがあり、冬場は寒さや雪による体への負担があります。
また、職場の設備や作業環境を整えるのも施工管理の仕事であり、オフィスでぬくぬくと仕事をしている一般企業の社員を羨ましく思う施工管理も少なくありません。
⑧給料に納得できないから
現場で働く人の中には、労働時間や労働条件に見合った給料がもらえていないと感じている方もいます。
また、賃金体系が不透明であったり、賞与制度が不公平であったりする場合もあります。
仕事量や責任の重さに対して、見合った給料でないと感じる施工管理も多く、転職したくなるケースが多いです。
⑨やりたい仕事ができないから
施工管理の仕事は、現場の監督や管理・段取りを行うことが主な仕事内容です。
しかし、実は雑務も多く、自分が本当にやりたい仕事やスキルを活かせる仕事ができていないと感じるケースもあります。
この場合、自分がやりたい仕事をできる転職先を探す施工管理が多くいます。
⑩リストラや倒産の可能性があるから
建設業界は、景気変動の影響を受けやすく、倒産の可能性は他職種と比較して高い傾向にあります。
2022年の建設業の倒産件数は1204件。全業種の18.9%で、サービス業についで2番目の多さです。
会社の経営に不安があり、リストラや倒産になる前に転職を考える人も一定数います。
施工管理が転職を検討しやすい求人条件
施工管理が転職するにあたっては、以下の2つが条件になっていることが多いです。
- ワークライフバランスが整う
- 年収が下がらない
ワークライフバランスが整う
施工管理は、残業時間が非常に多く、週末や夜間にも対応するケースもあるため、ワークライフバランスは整いにくいです。
例えば、残業80時間、土曜休みも隔週のみ。という施工管理の場合、残業は40時間以下で土日休みの仕事に転職したいと考えるでしょう。
そのため、施工管理から転職を考える人は、ワークライフバランスを条件としている場合が多くあります。
年収が下がらない
施工管理の年収は比較的高く、年収は下げずに転職をしたいと考える施工管理は多くいます。
しかし、求人サイトで転職先を見ても年収が下がってしまう求人が多く、転職できないと諦めてしまうケースも少なくありません。
施工管理からの転職を検討しやすい職種
ワークライフバランスが整い、年収も下がらない職種であれば、施工管理も転職を検討しやすくなります。
施工管理から転職を検討する場合、異業種への転職も視野に入れることが大切ですが、同じ建設業界内での転職でも上記の2つ条件を満たした転職は可能です。
以下で、施工管理からの転職を検討しやすい建設業界内の職種の例を紹介します。
都市再生機構
都市再生機構は、国が主導する都市再生事業を実施する機関で、市街地の再開発や土地の区画整理、公共施設の整備などを行っています。
施工管理と同様に、プロジェクトの進行管理や工事監理、コスト管理などを担当します。
また、平均残業時間22.0時間、離職率1.1%、年間有給取得数12.5日と非常にホワイトな環境(※UR都市機構採用サイト)で、施工管理の転職の際には魅力的な職種の一つとなります。
改修ゼネコン
改修ゼネコンは、既存の建物や施設の改修工事を請け負う企業です。
施工管理と同様に、工事の進行管理やコスト管理、工事の品質管理などを担当することができます。
改修工事の場合は新築工事と比較して現場に入る工種が少なく、業務過多になるリスクが低いです。
また、建物を運用している状態での工事が多く、作業時間に制限があるため、長時間労働となりにくいことも施工管理には魅力です。
建設業界での経験を活かしつつ、新しい分野にチャレンジすることができます。
土木建設コンサル
土木建設コンサルは、土木工事に関するコンサルティング業務を行う企業です。
施工管理と同様に、工事の進行管理やコスト管理、品質管理などを担当することができます。
特に諸官庁を顧客とする企業では、顧客が休みの日は休みとなることも多く、諸官庁と同様のワークライフバランスで働くことも可能です。
また、コンサルティング業務によって、より幅広い視野を持つことができるため、スキルアップにも繋がります。
ただし、ここで紹介した求人は、人気が高く転職サイトで見つけることは難しいのが実情です。
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施工管理からの転職におすすめの異業種
施工管理から、ワークライフバランスを整え、年収を下げない転職をするには、異業種への転職もおすすめです。
例としては、以下のようなものがあります。
不動産デベロッパー
不動産デベロッパーでは、プロジェクトマネージャーや品質管理など、施工管理と似たような仕事があります。
年収も施工管理より高く、ワークライフバランスも整い、さらに上流工程での仕事でキャリアアップにもつながるため、転職を考える施工管理にはオススメの転職先です。
施工管理から転職する場合は、現場の実務経験を生かして、品質管理のポジションがおすすめです。
キャリアアップを目指したい人はプロジェクトマネージャーに挑戦するのがおすすめです。
具体的な転職方法は>>【完全ガイド】現役技術職9人に聞いた不動産デベロッパーへの転職方法|求人が見つからないときの対処法もを参考にしてみてください。
ファシリティマネージャー
ファシリティマネージャーは、建物や施設の管理や保守を担当する職種です。
施工管理とは異なり、建物や施設の完成後に担当する業務があります。
施工管理で培った現場管理スキルや協調性が求められるため、施工管理からの転職には適している職種です。
また、国や自治体の施設や企業のオフィスビルなど、さまざまな施設での仕事があるため、仕事内容によっては、施工管理よりも高い年収を得ることも可能です。
具体的な業務内容はこちら>>施工管理からファシリティマネジメントに転職して何が良かった?現役FMに聞いてみた!も参考にしてみてください。
テック企業
テック企業では、ITエンジニアやプロジェクトマネージャーなど、さまざまな職種があります。
施工管理から転職する場合は、建設技術部門のプロジェクトマネージャーのポジションがおすすめです。
テック企業では、施工管理とは異なる業界での仕事になるため、学習意欲や柔軟性が求められます。
しかし、テック企業では、施工管理と比べて高い年収が期待できます。
公務員
公務員は、土木技術者や建築士など、さまざまな職種があります。
施工管理から転職する場合は、土木技術者のポジションがおすすめです。
公務員は、安定した職場環境や待遇があり、施工管理から転職をすると整った生活が期待できます。
異業種の転職でもおすすめできないNG転職先もあります。
詳しくは、施工管理は異業種に転職できる?NG転職5選とおすすめ転職3選を参考にしてみてください。
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施工管理からの転職におすすめの異業種3つとNG職種5つ
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施工管理は転職しやすいが注意点が4つある
施工管理は他業界の職種でも評価は高く、比較的転職しやすい職種です。
しかし、施工管理が転職をする際には注意点があります。
以下に挙げる4つのポイントを押さえて、スムーズな転職を実現しましょう。
①転職理由はポジティブな内容にする
転職理由は、面接で聞かれることが多く、採用に関わる重要なポイントです。
施工管理の場合、前職でのストレスや人間関係などネガティブな理由での転職が本音かもしれませんが、面接で話すことは避けるようにしましょう。
ポジティブな理由を持っていることをアピールすることがおすすめです。
例えば、スキルアップやキャリアアップなどの成長意欲の高い理由を伝えると良いでしょう。
②退職するタイミングを気にしすぎない
施工管理は現場での責任が大きいため、「現場が終わってから」など、キリの良いタイミングで退職するのがベストでしょう。
しかし、企業によっては現場の切れ目なく、担当現場を持たせることも多く、なかなか転職できないといったケースもあります。
退職するときには少なからず誰かに迷惑はかけるものです。
タイミングを気にしすぎず、現場に配慮しつつ現場終わりに。と退職時期を決めつけずに転職活動を進めましょう。
また、退職前には、現場での業務をきちんとまとめておくことも大切です。
③大手には転職できないだろうと思い込まない
大手企業に転職する場合、「自分には無理だろう。」と考えて、応募する前に諦めてしまう人もいます。
しかし、施工管理の場合その心配をする必要はなく、まずは応募することが重要です。
なぜなら、施工管理のニーズは大手でも高く、実際に20代や30代前半で施工管理から大手デベロッパーに転職している事例は多くあります。
④目的に合った転職先を選ぶこと
施工管理は、建築・土木現場での業務が中心ですが、転職先によっては発注者や設計、営業などの職種に転じることもできます。
そのため、自分が目指す目的に合った転職先を選ぶことも重要です。
施工管理の職種には、建築や土木工事など、様々な業界があります。
自分が得意とする分野や興味がある分野に転職することで、スキルアップやキャリアアップができる可能性が高くなります。
まとめ|施工管理は転職しやすい
結論として施工管理は転職しやすいです。
筆者自身も施工管理からの転職した際には3社の発注者から内定を獲得できました。
施工管理は全体的に評価が高く、異業種へキャリアチェンジしていきたい場合でも有利な職種です。
施工管理からキャリアチェンジして異業種の職種を探したい方は以下の記事も参考にしてみてください。
\ コチラも参考に /
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施工管理からの転職におすすめの異業種3つとNG職種5つ
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この記事のライター
- 転職3回(元職人・元ゼネコン所長)
- 建設・不動産業界でキャリア14年目
- 不動産ディベロッパー建築部門チーフ
- 一級建築士・一級建築施工管理・宅建士ほか
詳しいプロフィールはこちら>>
有料職業紹介(許可番号:13-ユ-316606)の厚生労働大臣許可を受けている株式会社ゼネラルリンクキャリアが運営しています。
よこてん
施工王ライター