目次
サービス残業もないって言うし、施工管理としてはホワイトで良いと思うんだけど…何かデメリットがありますか?
こんな疑問にお答えします。
この記事でわかること
- 最初に知ってほしい、派遣施工管理の闇
- 派遣施工管理をやるか・やめるかの判断基準
- 施工管理の派遣はやめた方がいいと言われる4つの評判
- 派遣施工管理の次の転職先
- 施工管理の派遣が向いている人
- 建設・不動産業界キャリア14年
- 元職人、元施工管理所長、元財閥系デベロッパー(転職3回)
- 一級建築士・一級建築施工・宅建士ほか
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この記事では、業界で14年のキャリアがある元施工管理所長が「派遣の施工管理をやるかどうか」その決断の助けになるような、派遣施工管理のリアルについて包み隠さず解説していきます。
「派遣の施工管理は良くない」と言われて、就職・転職をためらってしまっている人は非常に多いです。
確かに、派遣施工管理にはゼネコン正社員と比較すると派遣特有のデメリットは存在します。しかし、派遣には大きなメリットもあります。
あくまでも、自分の希望する働き方によって選択すれば良い話で、一概に「ゼネコン正社員が良い、派遣が悪い」とは言い切れません。
この記事で、派遣施工管理のメリットデメリットを正しく知った上で、「派遣の施工管理をやるか」を見極めてみてください。
「派遣の施工管理は良くない」と誰かから言われても、最後はあなた自身で判断することを強くおすすめします。
こんな方におすすめ
- 施工管理の派遣で働くか悩んでいる方
- ホワイトな施工管理で働きたい方
- 未経験で施工管理で働くのが不安な方
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派遣施工管理特有の業界の闇
まずはじめに、これから施工管理の派遣を始めようか悩んでいる方に、理解しておいて欲しいことがあります。
それは「建設業界と派遣業界の闇」についてです。
なぜ施工管理の派遣がこんなに求人が多く、給料も高いのだと思いますか?
「建設業界が人手不足で業界の年収相場が高いから。」
はい。これも正解ですが、これだけの理由であれば、正社員を増やせば良いということになります。
実は、派遣が増えている理由はもう一つあります。
それは、「ゼネコンが"短期的に人を増やしたい"と考えているから」です。
詳細は以下です。
ゼネコンは、昨今の建設業の好景気は一時的なもので、今後は低迷すると先読みしていました。
そのため、コスト削減しにくい(首を切りにくい)正社員を増やすのではなく、コスト削減しやすい(派遣契約更新をしない)派遣施工管理で人員不足を解消しようと考えました。
その結果、施工管理派遣の需要が高まり、賃金が上がり始めます。
そこで「これは儲かる!」と、施工管理の派遣を斡旋する業者が乱立。
高給の派遣施工管理求人があちこちに露出することになりました。
つまり、「業界の景気が良くて儲かっているけど、それはいずれ終わる。その時のために派遣社員で人員を補う。」ということです。
派遣施工管理になった場合、「業界の景気が悪くなれば、ゼネコン正社員より先に仕事が減り、給料も上がらない」ということが起きます。
これが建設業界・派遣業界の闇です。
施工管理の派遣で働くということは、「景気低迷時にはゼネコン正社員より弱い立場に立たされる」ことを理解しておきましょう。
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派遣施工管理をやるかやめるかの判断基準
では、派遣施工管理は絶対にやるべきではないのでしょうか?
答えはNOです。
それは、景気低迷時には立場は弱くなるものの、好況な現在は派遣のメリットの方が大きいからです。
デメリット
建設業界の景気が良い現在は、派遣契約が打ち切られたり、給料が上がらない。などはほぼありません。
さらに、建設業界は今後、数年~10年ほどは好況を維持すると見られています。
ゼネコンの「手持ち工事高(受注しているものの、順番待ちで未だ着工していない工事の金額)」は2012~19年まで毎年平均4.9%の増のペースで膨んでおり今後も好況を維持すると見込まれています。参考:建設工事受注動態統計調査(大手50社調査)国土交通省
つまり、現在は派遣契約打ち切りなどでゼネコン正社員より立場が弱くなることは直近ではなく、派遣施工管理のデメリットを受ける可能性があるのは約10年ほど先ということです。
メリット
これに対し派遣施工管理のメリットは今この瞬間に受けることができるものです。
- ライフスタイルに合わせて働きやすい
- 未経験でも就職・転職しやすい
- 派遣の中では高収入
- 幅広く知識・スキルを習得しやすい
- 大手ゼネコンに正社員登用されることがある
メリット・デメリットの比較
10年後にあるかもしれないデメリットと、今確実に得られるメリットを天秤にかけて、派遣施工管理をやるかやめるかを判断することが判断基準になります。
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施工管理派遣の本当のメリットを解説!ゼネコン正社員と比較
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施工管理の派遣はNGと言われる4つの評判は真実か?
では一般的に、施工管理の派遣はNGだと言われる4つの評判について、真実なのかどうかを解説します。
派遣施工管理NGの4つの評判
- キャリア形成にならない
- 給料が上がらなくなる
- 仕事は減り待遇が悪くなる
- 普通に長時間残業がある
結論を先にお伝えすると、以下です。
残業もあるし、将来的に業界景気が落ち込めば給料が上がらず、待遇が悪くなる可能性もあるけれど、それは10年後くらいの話。
やめとけと言われているけれど、派遣でも施工管理はキャリアとして評価されるので、ステップアップで派遣施工管理に就職・転職するのはおすすめ。
関連記事施工管理がやめとけと言われる7つの理由|6年経験者が本気のアドバイス
NG評判①キャリア形成にならない
これは間違いです。
一般的に"派遣"と聞くと、正社員に劣ると言うようなイメージで転職時の評価が低いと思われていますが、こと建設業界の派遣施工管理においては転職時にもしっかり評価されます。
その理由は3つ。
派遣施工管理が高評価の理由
- 業界特有の人間関係を経験している
- 企業横断的な業務経験を積んでいる
- 知識・スキルに汎用性がある
業界特有の人間関係を経験している
ゼネコンが正社員に採用する際にもっとも懸念するのが「辞められる」ことです。そして、施工管理が辞めていく理由の多くは、「現場内の人間関係」です。
施工管理の仕事は事業所内の人と過ごす時間が長く、合わない上司や同僚がいた場合は相当なストレスとなります。また職人さんとのコミュニケーションも、他の職種とは種類が異なります。
こういった、業界特有の人間関係を経験している派遣施工管理は、正社員採用後の退職のリスクが低く、ゼネコンからの評価は高いです。
企業横断的な業務経験を積んでいる
派遣施工管理は様々なゼネコンに派遣されるため、各社の仕様や工法など、企業横断的な経験をすることになります。
この企業横断的な経験で得た知識はゼネコン正社員では得られない貴重なもので、ゼネコンとしては重宝するポイントです。
知識・スキルに汎用性がある
施工管理の知識やスキルは、どのゼネコンに行っても応用が利きます。
それは、どのゼネコンも公共建築工事標準仕様書(建築工事編)や、JASS(日本建築学会建築工事標準仕様書)などを元に、自社の仕様を決めているためです。
そのため、派遣施工管理として各社で学んだ知識・スキルは他社でも活きるので、派遣施工管理を経験している人材は評価されやすいです。
施工管理(派遣)はキャリア形成になるので、安心してください。
NG評判②給料が上がらなくなる
これは正しいかもしれませんし、間違いかもしれません。
もちろん、今後ゼネコン各社の業績が落ち込んでいけば、業界全体としての給与水準は下がっていく可能性はあります。
そのときに最初に影響を受けるのは、派遣施工管理である可能性は高いです。
しかし、業界全体の業績がすぐに落ち込むことは考えにくく、今後数年は好況が続くと予想されていますから、業界の給与水準が停滞するのはまだまだ先と言えます。
そして押さえておくべきなのは、傾向として、現在の派遣施工管理の給料水準は高い。
と言うことです。
それは、建設業界全体が近年稀に見る活況ぶりで、業績は右肩上がりだったからです。
手持ち工事高も多くあり、ゼネコンも儲かっているため、派遣施工管理も給与が高いのです。
業界の景気の良い今こそ、高い給料水準で派遣施工管理を始められるタイミングと言えます。
参考【新型コロナウィルス】建設業界ではボーナスカット?!リーマン並の不景気も
NG評判③仕事は減り待遇が悪くなる
これも理由②と同様に、正しいかもしれませんし、間違いかもしれません。
その理由は、業界全体の景気に左右されるからです。
数年~10年後、以下のような状況になると、派遣施工管理の仕事は減って、待遇は悪くなるかもしれません。
建設業の景気が後退する。
↓
ゼネコンの仕事が減って売上も落ち始める。
↓
仕事も減って利益も減れば、経費削減が必須となる。
↓
先に切られるのが、施工管理の派遣です。
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施工管理の将来性は?最新の動向・展望を解説|おすすめの施工管理の始め方も
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NG評判④普通に長時間残業がある
これはホントです。
残業なしで働ける現場なんてないです。
その理由は、ゼネコンの現場は社員の残業で事業が成り立っているからです。
皆が残業している中で、派遣施工管理だけ帰るなんて事は不可能に近いです。(よほどのメンタルがあれば別ですが・・・)
現場によっては、残業代を払いたくないために派遣施工管理を定時で帰らせる現場もありますが、その扱いは派遣施工管理として未熟と認識されているためで、あまり良いことではないでしょう。
まともに働く場合はある程度の残業は覚悟する必要があります。
参考>>施工管理はプライベートがない!11の原因と5つの解決方法まとめ
参考に、建設業関係者8500人の日建協アンケートでは働き方改革が逆に残業の弊害を起こしている旨の回答が目立ちます。
- 会社や上司から仕事の状況を考慮しない時短の指示がある。33.1%
- 勤務時間の申告に自主規制の圧力がある。27%
- 仕事が終わらずサービス残業をしている。25%
(JCU日建協の2019年時短アンケートダイジェストより)
参考施工管理は働き方改革で変われるのか?【業界12年経験者が解説】
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施工管理は働き方改革で変われるのか?キャリア13年のプロが解説
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派遣施工管理をおすすめしない人の特徴
以上の真実から、派遣施工管理をおすすめしない人は以下のようになります。
- 残業は絶対にしたくない
- 派遣施工管理になったらそれ以上ステップアップ(転職)するつもりがない
- 正社員と派遣の待遇の差を見て不満が溜まる
以上のような人は派遣施工管理は合わないと思いますので、おすすめしません。
派遣施工管理をおすすめする人の特徴
派遣施工管理をおすすめする人の特徴は以下のようになります。
- 派遣施工管理からステップアップ(転職)したい
- 未経験から新たにキャリアを積みたい
- 未経験でも高給な給与が欲しい
何より派遣施工管理は新たにキャリアを積み始める場合に、非常に大きなメリットがあります。
派遣先企業に正社員で登用されたり、比較的働きやすい環境で施工管理の経験を積めたりと、未経験者にとってはおすすめです。
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派遣施工管理の次の転職先
派遣施工管理を経験した後は、何の仕事に転職するのがいいのか。
著者がおすすめするのは、大手ゼネコンか改修ゼネコンかデベロッパーの3つです。
派遣施工管理の転職先候補
- 大手ゼネコン
- 改修ゼネコン
- デベロッパー
現実的にこの3つです。
理由をひとつずつ説明しますね。
おすすめ①大手ゼネコン正社員
やはり派遣施工管理の転職先として目指したいのは、大手ゼネコンの正社員です。
確かに、現場によってはプライベートはないですし、激務であることは間違いありません。
しかし、大手ゼネコンの場合、ワークライフバランスが改善されてきていますし、何より給料が非常に高いです。
さらに、大手ゼネコンで施工管理正社員として働いたあとは、転職でキャリアアップも目指しやすいです。
参考>>「施工管理はやめとけ」は信じていいのか|元所長の経験とキャリアの考え方
私も施工管理正社員を経て、デベロッパーに転職しています。
派遣施工管理で経験を積んだら、施工管理正社員として会社を利用することが、年収を高めて時間も確保するコツです。
おすすめ②改修ゼネコン正社員
次はとことん情報を集めて、ホワイトな施工管理を見つけることです。
ちなみにワークライフバランスが整いやすい施工管理は、改修工事の施工管理です。
その中でもマンション改修工事の施工管理は将来性もあります。
その理由は以下の2つです。
- 業務量が適量
- マンションの改修需要は今後も伸びる
友人がこのマンション改修の建設会社勤めですが、条件は非常に良いです。
年齢30代前半で年収は想定で7〜800万円(首都圏に新築一戸建て+新車・バイク+子持ち)
ほぼ定時で通常業務は終えているそうです。(これはウソのようなホントの話)
「施工管理でキャリアを積みたいけど、プライベートも確保したい。」
そんな方にはバランスの取れた職種です。
参考>>施工管理でもホワイトな企業はこの業種!建設業界11年目社員が公開
こういった、条件の良い求人は転職エージェントが持っていることがほとんどなので、一度転職エージェントに相談してみてください。
一般転職サイトの求人の中には”隠れブラック企業”も多いので注意
チャレンジするときは、ちゃんとまともな転職エージェントから紹介してもらってください。
\ ホワイトな施工管理になる一歩 /
転職エージェントと転職サイト・スカウトの一番の違いはココ!【比較】結局どれが有利?
おすすめ③デベロッパー
これは筆者が勤めている企業なので、強くおすすめします。
その理由は、デベロッパーは絵に描いたような、ライフワークバランスの整った高収入サラリーマンが実現できる場だからです。
筆者は新卒で職人になり、そこから施工管理になって、デベロッパーへ転職しました。
実際に残業時間は月に30時間以下。
今は2社目のデベにいますが、前の大手財閥デベでは月残業10時間もザラでした。(ほぼ毎日定時帰り)
参考>>子育てを理由に父親になる私は転職した|元施工管理の転職エピソード03
デベではキャリアも十分積めますし、実はデベに入ってくる施工管理の方も多いので安心して仕事が出来るのが特徴。
仮に入社時に契約社員だったとしても、私のいた大手財閥デベでは正社員登用は100%でした。
ただし、デベに入るには結構ハードルが高いのも事実です。
自分ひとりで転職活動をすると確実にデベロッパーへの転職は失敗するので、転職サポートは必須になります。
私は転職エージェントを複数社併用してデベに転職しました。
実際に私が使って成功に導いてくれた転職エージェントはマイナビエージェントとJACリクルートメントなので、ぜひ参考に見てみてください。
デベにチャレンジするならこの2つをおすすめします。
参考【完全保存版】マイナビエージェントの評判を徹底解説|2回利用している私の口コミ
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派遣施工管理から転職しないキャリアの条件
派遣施工管理は転職のステップアップに使うと良いと書きましたが、中にはそう何回も転職したくない。という方もいるでしょう。
そこで、転職せずに施工管理の派遣で働き続けられるキャリアの条件をご紹介します。
その条件は以下の3つです。
派遣施工管理キャリアの条件
- 現場の主力となってプロジェクトを竣工へ導ける
- 派遣会社やゼネコンを利用してキャリアアップにつなげられるプランを持っている
- いつ契約を切られても他の現場に呼ばれる自信がある
派遣の施工管理を生涯続けられる人は、いわゆる個人事業主(フリーランス)として、仕事ができる人です。
転職をせずに派遣施工管理でキャリアを積み上げていくなら、上記を目標の参考としてみてください。
施工管理の派遣は本当にやめた方がいいのか?|まとめ
ではこの記事のポイントをまとめします。
この記事のポイント
施工管理の派遣はキャリアのステップにいい
未経験者のキャリアの入り口としておすすめ
派遣のデメリットは10年後なので今は心配ない
派遣施工管理をやったら転職しよう
施工管理の派遣を続けるならフリーランスを目指す
施工管理の派遣の見方は変わりましたか?
施工管理で新しいキャリアを積もうと決心したなら、ぜひ派遣も検討してみてください。
施工管理の志望動機の書き方などは、施工管理の志望動機の書き方|テンプレと例文で面接もOK【新卒・転職】でも紹介しています。
そもそも転職エージェントって?と言う方は、こちらの記事を読んでおいてください。
参考転職エージェントの選び方|彼らはウラで何を考えているのか?失敗しない8つのポイント
参考転職エージェントと転職サイト・スカウトの一番の違いはココ!【比較】結局どれが有利?
では、今回はこの辺で。
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