施工管理の転職

施工管理の仕事内容と実態Q&A|キャリア13年のプロがわかりやすく解説

施工管理の仕事内容と実態Q&A|建設業界11年経験者が解説
施工管理の仕事内容ってどんな?

自分にも出来る仕事なのか、実態はどうなのか知りたいです。

こんな疑問にお答えします。

この記事でわかること

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管理人

よこてん

  • 建設・不動産業界で14年のキャリア
  • 不動産ディベロッパー建築部門主任
  • 元職人・元ゼネコン所長(転職3回)
  • 一級建築士、一級建築施工管理技士、宅建士ほか

詳しいプロフィールはこちら>>プロフィール

施工管理の仕事内容はいまいち想像つかないですよね。

施工管理は特に、実態も知った上で就職・転職するか検討した方が良いです

仕事内容や実態を知れれば、就職・転職の失敗をしなくて済みます。

そこでこの記事では、私が実際に経験した施工管理の内容を踏まえて、リアルな施工管理の仕事内容を解説していきます。

5分程度で読めるので、興味のある部分だけでもぜひ目を通してみて下さい。

こんな方におすすめ

  • 建設業界の情報収集中
  • 施工管理への就職・転職を検討している
  • 施工管理の実態を知りたい

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施工管理とは

施工管理とは

施工管理とは、建設に関わる多くの業務の”管理"を行う職種を言います。

 

施工管理にも種類はあり、以下に分類されます。

施工管理の種類

  1. 建築施工管理
  2. 土木施工管理
  3. 造園施工管理
  4. 管工事施工管理
  5. 電気工事施工管理
  6. 電気通信工事施工管理

 

それぞれ専門分野の施工について管理業務を行います。

 

え、こんなに施工管理って細分化されてるんですか?
よこてん
はい。なので、各分野の施工管理が協力して現場で仕事をしていくことが重要ですね。

 

特に”建築”の現場では、上記の専門施工管理のすべてが関わり、建築施工管理が総指揮を執る形になります

 

よく、建設工事は1種類の施工管理がすべてを管理するかのように勘違いされますが、それぞれ専門工事の部分を管理しながら仕事を進めていきます。

 

施工管理の仕事内容と具体例

施工管理の仕事内容

施工管理の仕事内容は以下で共通です。

 

施工管理の仕事内容

  1. 品質管理:Quality
  2. 原価管理:Cost
  3. 工程管理:Delivery
  4. 安全管理:Safety
  5. 環境管理:Enviroent

いわゆる「5大管理」と言われるものです。

 

これらの頭文字を取って、「QCDSE」と言われます。

 

ビジネス用語として「QCD」は一般的に語られますが、建設工事においては危険も多く、環境負荷も大きいことから、「安全」と「環境」も管理が必要とされています。

 

主な仕事内容をそれぞれの業務ごとに説明します。

 

品質管理:Quality

品質管理は、建設するものが設計図書の内容を満たしているか管理する業務です。

 

具体的には、

  • 材料の材質・寸法・規格・強度の確認
  • 施工方法・手順の確認
  • 施工中の精度の確認
  • 出来形(出来たもの)の寸法の確認
  • etc

などですね。

 

近年の品質管理では、長期的な品質確保のために、要求される品質のハードルは高くなっています

 

原価管理:Cost

原価管理は、建設工事における材料費・労務費等を管理する業務です。

 

具体的には、

  • 工事発注・取極め金額ネゴ
  • 出面管理(作業員の人数の管理)
  • 相殺交渉
  • 請求書処理
  • etc

 

建設工事では、「工事のために決められた予算をどれだけ残すか」で利益が変わります。

 

そのため、出て行くお金を減らすことに頭を使う管理業務です

 

工程管理:Delivery

工程管理は、建設工事が予定通りに進めるための調整をする業務です。

 

具体的には、

  • 工程表の作成
  • 施工手順の計画
  • 作業人員・施工業者の確保
  • 重機手配などの事前段取り
  • etc

 

工程管理は施工管理の業務の中でも優先順位の高い業務の1つです。

 

なぜなら、工程の管理が出来ずに時間が足りない現場では、品質・原価・安全・環境のすべてが失われるからです。

 

そのため、まずは工事が工程通りに進められるよう管理していくことが、建設工事を成功させるポイントになります。

 

安全管理:Safety

安全管理は、建設作業員(職人)の命を守るために、建設現場の設備や環境を整える業務です。

 

具体的には、

  • 仮設設備の整備
  • 火災防止の措置
  • 危険作業の監督
  • 機材の安全点検
  • etc

 

建設工事では、常に死と隣り合わせの状態で仕事を行います。

 

そのため安全管理を怠ると、本当に誰かが命を落とすことになるので、日々死と向き合って安全管理を行うことが非常に重要です。

 

安全管理は若い担当者に任されることが多いですが、それは業務が軽視されているのではなく、建設現場で最初に覚えるべき業務だからです。

 

環境管理:Enviroment

環境管理は、自然環境・周辺環境・職場環境に対する負荷を最小限にするための業務です。

 

具体的には、

  • 適切な廃棄物処理の確認
  • 建設材料のトレーサビリティの確認
  • 騒音・粉塵の発生防止
  • 作業員用仮設施設の設置
  • etc

 

建設工事では大量の廃棄物・騒音・振動が発生し、自然や周辺環境に及ぼす影響が大きいため、厳しい規制が法律で設けられています。

 

また、職場の環境も一般的なオフィス業務ではないので、現場ごとに整える必要があります。

 

環境管理は”企業の信頼”を守る重要な要素となってきており、昨今ではSDGsの取り組みとして、環境負荷低減を掲げる企業も増えてきています。

 

持続可能な開発目標(SDGs)とは,2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継として,2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。参考:外務省

 

施工管理の仕事の実態

施工管理の仕事の実態

では、施工管理の仕事の実態についてご紹介します。

 

よこてん
私の経験も踏まえてご紹介していくので、かなりリアルな内容です。

 

関連ページも多いので、ざっと全体を読んだら気になる詳細記事を読んでもらえると、より理解が深まるかと思います。

 

施工管理の年収

私の場合は、29歳・所長で年収は590万程度でした。(残業込み年収)

 

施工管理の平均年収は調べるWebページによって金額大きく異なります。

 

NEWS株式会社では、平均年収は約483万円

建設・設備求人DBでは、平均年収は約630万円(平均年齢44.1歳)と大きな幅があります。

施工管理と全職種の平均年収比較の図:施工管理の年収は630万6376円。サラリーマンなどを含む全職種の年収は497万2000円。建設業に従事する人の平均年収は509万3000円。

引用元:https://plant.ten-navi.com/trend/14976/

 

年齢や職種によっても差が出るので、建設・設備求人DBを参考にするとおおよその目安がわかると思います。

 

ちなみに施工管理の年収は企業規模によって大きく異なりますので、20代施工管理の年収まとめ|大手と中小でこんなに差があるも参考にしてみてください。

 

施工管理の休暇日数

施工管理の休暇日数は他産業と比較しても少ないです。

 

建設業は他の産業よりも29日休みは少ないと国土交通省がデータ(建設業における働き方改革)を公表しています。

国土交通省作成‐建設業の年間出勤日数の推移

 

すべての施工管理に当てはまるわけではないですが、全体として休みの少ない業界だと思っていて間違いはありません。

 

さらに有給の取得もしづらい環境は未だにあります。(JCU日建協2019年時短アンケートダイジェスト

施工管理の有給取得日数の推移

 

この辺は、「施工管理はやめとけ」は信じていいのか|元20代所長が実態を解説で詳細を解説しているので、ぜひ参考にしてください。

 

よこてん
私の場合は、お盆と年末年始は休んでいましたが、それ以外は週6勤務でした。

 

イメージは「基本週6勤務」で「祝日は現場の進捗次第で休む」といったところです。

 

施工管理の残業

施工管理の残業は驚くほど多いです。

 

こちらも国土交通省のデータ(建設産業政策2017+10)で建設業の残業は他の産業と比較し、年間336時間も実労働時間が長いとしています。

建設業の年間労働時間

 

実態として、工期の厳しい現場に入ると家に帰ることもままならず、残業時間は月200時間を越えたりします。

 

月200時間の残業というのは、平均して7時出社~24時退勤を25日間なので、施工管理をしている方はおおよそ経験している数字かと思います。

 

実際は徹夜や休日出勤も含まれるので、さらに多い場合もあります。

 

よこてん
当然ですが、200時間も勤怠に残業代は付けられないです。

 

つまりサービス残業が多いということです。

建設業の残業に対する会社からの圧力ほか

 

現在はこういった状況は改善傾向にあるとの情報もあります。

その真偽については【最新版】施工管理の激務は軽減されている?本当かどうかを解説そどうぞ。

目を通しておいた方が今後の施工管理の動向も知れるかと思います。

 

施工管理の仕事のやりがい

施工管理の仕事のやりがい

施工管理の本当のやりがいは、

  1. 建設エンジニアリング
  2. マネジメント

の2つの能力で社会に価値提供ができる部分にあります。

 

また、この2つの能力を20代~30代前半で身につけることで、その後のキャリアは非常に明るくなります。

 

このあたりは、施工管理のやりがいは「ものづくり」ではない!綺麗事で現場は回らないでその内容を詳しく解説しているので、参考にしてください。

 

よく、「モノづくりで形に残る」がやりがいとする意見は多いですが、本当のやりがいは上記の2点です。(人それぞれですが)

 

モノづくりをやりがいに施工管理をやりたいと考えているなら、考えを改めた方がいいかも知れません。

 

なぜなら、そういう考えで施工管理になる人は多いですが、辞めていく人も多いからです。

 

よこてん
施工管理の離職率を見ればわかるので、やりがいは良く見極めた方が良いですね。

 

施工管理の仕事の将来性

施工管理の仕事の将来性

これから施工管理に就職・転職を検討している方は、施工管理という仕事の将来性も検討しておいた方が良いです。

 

その理由は、施工管理の仕事は大きな変革は起きにくく、「オリンピック特需の終焉」「コロナの影響」で今後の景気の雲行きはあやしいからです。

 

現に、建設需要のピークは2019年で2020年はすでに減少しています。

 

 

また、建設DX(デジタルトランスフォーメーション)やi-Construction(参考:国土交通省)などで産業構造が変わるような大きな変革があったとします。

 

すると、これまでの働き方や技術だけの人材の市場価値は低下して、新しい建設技術に適応した人材が生き残る業界になると思います。

その根拠として、建設IT技術を詳しく紹介している「建設ITワールド」を見ていただけると参考になります。

 

つまり、施工管理でキャリアを積むなら、ただ「モノづくりがしたい」や「形に残る仕事がしたい」ではなく、何を自分の専門技術とするかのキャリア戦略が必要になります

参考施工管理の将来性は?最新の動向・展望を解説|おすすめの施工管理の始め方も

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施工管理Q&A

施工管理Q&A

ではここからは、施工管理についてのよくある質問について紹介していきます。

 

施工管理の仕事を始めるに当たり気になるものをピックアップしているので、参考にして下さい。

 

施工管理と現場監督の違いは?

呼び方の違いで、実は同じです。

 

施工管理は国家資格として「施工管理技士」という資格があり、冒頭で説明したような業務を行う職種をさします。

 

現場監督は、施工管理の仕事をしている人を表現するときの呼称と捉えておいて問題ありません。

 

施工管理の仕事に向いてない人は?

建設エンジニアリングにもマネジメントにも興味のない人です。

 

「モノづくり」が好きだとしても、上記の2つに興味がなければ施工管理を続けるのは難しいです。

 

逆に、どちらかに興味を持てれば、施工管理に向いているので就職・転職してもOKかと思います。

 

参考施工管理に向いてない人のたった1つの特徴【失敗しないコツがある】

 

施工管理の仕事は女性でも出来る?

出来ます。

 

むしろ女性の監督の方が現場の人間は動きやすいです。(施工管理の仕事をキチンとこなせることが前提ですが。)

 

肉体労働ではなく、頭脳労働で勝負すれば施工管理は女性でも十分活躍の場があります。

女性でも未経験から施工管理はできる?経験者に聞く困ったこと良かったこと

施工管理の仕事は未経験でも出来る?

出来ます。

 

施工管理は技術職でもありますが、マネジメント職でもありますので、未経験で技術の知識がなくてもまずはマネジメント業務から始めればOKです。

 

未経験から施工管理になり、キャリアアップで大手ゼネコンや大手デベロッパーへ転職していった同僚も多いです。

 

施工管理は常に人で不足で、有効求人倍率も6倍ほど(一般平均の約6倍)はあります。

 

未経験からキャリアを積みなおしたい人にはおすすめできます。

 

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未経験で施工管理はきつい?

施工管理がきつい12の理由と未経験でも可能な回避方法

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参考未経験で施工管理はここがきつい!7つの理由と回避方法

 

施工管理の資格の種類はどれくらいある?

「施工管理」が付く資格は以下の7種類です。(2019年に電気通信工事施工管理技士が新設されました)

 

  1. 建築施工管理技士(1級・2級)
  2. 土木施工管理技士(1級・2級)
  3. 管工事施工管理技士(1級・2級)
  4. 電気工事施工管理技士(1級・2級)
  5. 電気通信工事施工管理技士(1級・2級)
  6. 建設機械施工技士(1級・2級)
  7. 造園施工管理技士(1級・2級)

 

資格を取得すると、「主任技術者」「監理技術者」になることができ、法律で定められた責任者になることができます。

 

企業によりますが、資格手当てもあります。

 

よこてん
勉強方法さえわかれば独学でも取得可能ですし、キャリアアップに効果的な資格です。

 

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施工管理の仕事内容|まとめ

施工管理の仕事内容まとめ

この記事の内容を要約します。

 

この記事の要約

  • 施工管理は専門分野ごとに細分化されている
  • 施工管理の仕事内容はQCDSE
  • 施工管理の仕事の実態は厳しい
  • 施工管理の仕事のやりがいは「モノづくり」ではない
  • 施工管理の仕事の将来性はDXにかかっている

 

施工管理の仕事内容は多いです。

 

しかしその分成長にもつながるので、20代前半のキャリアとしてはおすすめ

 

明確なキャリア戦略を持って挑戦すれば、よい自己投資になります。

 

ただし、家族ができたり仕事以外の時間が欲しい場合には、転職に悩む職種です

 

もし、施工管理のキャリアに悩んだときは以下の記事も参考にしてみてください。

 

\ たった5秒でわかる! /

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