目次
施工管理から発注者側へ転職を考えていても「発注者の具体的な仕事内容は?」「発注者側に転職するにはどうすれば良い?」と悩んでいる人も多いのではないでしょうか?
実は、施工管理から発注者側へ転職するには発注者側の業務に求められるスキルを知ることで転職しやすくなります。
この記事では、「発注者側の種類」や「具体的な業務内容」「求人の傾向」も解説するので、現在転職活動中の方にも役立ちます。
5分ほどこの記事を読むことで、施工管理から発注者側への転職成功確率を高められますので、ぜひ参考にしてください。
この記事でわかること
- 建設・不動産業界のキャリア14年
- 20代でゼネコン施工管理の所長を経験
- 施工管理から大手不動産デベロッパーへ転職
- 一級建築士、一級建築施工・宅建士・既存住宅状況調査士ほか
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施工管理から発注者側へ転職できる?
施工管理から発注者側への転職は可能です。
発注者側にも、経験豊富な施工管理者を求める企業が多く、求人は比較的多く出ています。
ただし、発注者側への転職を成功させるには、発注者側の仕事内容や必要なスキルを理解することが重要です。
施工管理から発注者側へ転職する2つのパターン
施工管理から発注者側の職種へ転職する際には以下の2つのパターンがあります。
- 発注者への転職
- 発注者支援業務への転職
発注者
発注者は、建設プロジェクトの計画・設計から施工・引渡しまでを一貫して管理する役割を担っています。
建設工事の品質や工期、費用などを把握し、現場管理者と連携しながらプロジェクトを進めます。また、工事の進捗管理や契約書の作成、報告書の作成なども行います。
また、発注者には、「公共工事発注者」と「民間企業発注者」に分けられます。
公共工事発注者は、国や自治体、公共機関などが中心で、民間企業発注者は、建設業界の企業が中心となります。
公共工事発注者
公共工事発注者の場合、建設業界での経験があることが必要です。公共工事の入札や契約のプロセスに詳しいこと、工事現場での安全管理や品質管理の経験があることが求められます。
民間工事発注者
民間企業発注者の場合も、業界経験が必要とされ、施工や設計の知識や経験があることが求められます。建設業界で働く中で、企画・設計・施工・監理などの業務を経験していることが望ましいと言われます。
発注者支援業務
発注者支援業務とは、自社が発注者にならず、発注者が抱える問題を解決するためのサービスです。
発注者が建設プロジェクトを進める上で必要な情報やアドバイスを提供することが主な業務です。
具体的には、入札書類の作成支援、入札の立会い、契約書の作成支援、工事監理の支援などがあります。
施工管理者や設計者と協力しながらプロジェクトを進めていくことが求められます。
施工管理から発注者側への転職で気をつけるべきこと
発注者側へ転職する人材は、施工管理とは違う視点からプロジェクトを進めることが求められます。
それに伴って、転職者が抑えておくべきポイントがあります。
必要な知識とスキルの違いに注意
施工管理から発注者側への転職では、必要な知識やスキルが異なることに注意が必要です。
施工管理では建設現場での品質や安全管理が中心ですが、発注者側では予算やスケジュール管理、意見調整、契約交渉などが求められます。
発注者としての立場で、工期の管理やコストの把握、進捗状況の把握、発注業務の進行管理など、さまざまな業務に携わることになります。
多岐にわたる業務に対応できる能力が必要
発注者側の企業は、建設現場とは異なる立場から、様々な業務を担当することが求められます。
そのため、多岐にわたる業務に対応できる能力が必要です。
具体的には、書類作成能力や、マネジメント能力、クライアントとの折衝能力も求められます。
コミュニケーション力の必要性に留意
発注者側の仕事では、多くのステークホルダーとのコミュニケーションが必要不可欠です。
実務として、設計者や請負業者、調達先企業や関係官庁との折衝を行います。
そのため、コミュニケーション力は必須の能力です。
施工管理から転職しやすいのは民間工事発注者
民間工事発注者とは、建設プロジェクトにおいて、建設業者に対して工事の設計・施工を委託する「発注」を行う主体企業のことを言います。
イメージしやすいのは、不動産デベロッパーですが、実は建設・不動産業界以外にも民間工事発注者はありますので、以下に紹介していきます。
建設・不動産系の発注者
いわゆる不動産デベロッパーです。
特に、大手不動産会社や建設会社においては、大規模な案件が多数あるため、施工管理から転職するチャンスが多くあります。
ただし、大手の不動産デベロッパーはおおむね40~45歳が転職の限界年齢となっているケースが多いため、注意が必要です。
非建設・不動産系の発注者
銀行や製薬会社、食品メーカーなどがこれにあたります。
実は他業界においても、発注者としての業務を担う人材のニーズは高いです。
例えば、大手製造業の新工場建設や、IT企業のオフィス移転など、業種によっては施工管理の経験が活かせる案件もあります。
このほか、ゲーム会社なども保有資産のリニューアル、維持更新のための工事発注を行うことから、施工管理を採用している求人もあります。
発注者支援企業も施工管理の転職先のひとつ
発注者支援とは、工事の発注者が抱える工事監理・工事管理業務を受託し、アドバイスや代行をするサービスのことを指します。
施工管理業者が工事の品質管理やスケジュール管理をするのに対し、発注者支援業者は発注者がその役割を果たせるように支援を行います。
発注者支援業務ができた理由
発注者支援業務が生まれた背景には、公共工事などで工事に対する品質管理やスケジュール管理が徹底されている一方、発注者側には技術的な管理に対応するための専任者がいないことが挙げられます。
そこで、発注者が施工管理業者に対して強い立場で交渉できるようにしたのが、発注者支援業務ができた理由です。
この背景から、発注者支援業務には施工管理の経験を持つ人材が強く求められる傾向にあります。
発注者支援業務の流れ
発注者支援業務の流れは、以下の通りです。
- 受託依頼
- 案件調査
- 業務内容・契約条件の調整
- 契約締結
- 業務開始
- 工事監督・品質管理
- 予算管理・コスト抑制
- スケジュール管理・調整
- 変更管理
- 完工検査・引き渡し
- 保証・アフターサービス
具体的には以下のような業務を行っていきます。
工事監督支援の流れ
また、工事監督支援についてもご紹介します。工事監督支援とは、建設プロジェクトにおける工事監督者の代理として、工事監理業務を行うことです。
工事監督支援の流れは、以下の通りです。
- 契約締結
- 業務開始
- 工事計画策定
- 施工管理計画策定
- 工程表の作成
- 施工計画書の作成
- 施工中の安全管理
- 工事の品質管理
- 工事現場での手配・調整
- 施工図面の作成・検査
- 確認申請書の作成・提出
- 完工検査・引き渡し
- 保証・アフターサービス
具体的には以下のような業務を行います。
施工管理から発注者側に転職して生活スタイルは大きく改善する?
発注者側の仕事は、比較的定時に仕事を終えることができるため、プライベートな時間を確保しやすいという利点があります。
また、給料も施工管理より高額になる場合が多いため、施工管理から発注者側に転職をすると、生活スタイルを改善することができる可能性は高いです。
ただし、実際に発注者側に転職することで生活スタイルが改善するかどうかについては、状況によって異なります。また、責任が大きくなるためストレスが増えるケースもある点は注意が必要です。
施工管理が発注者側に転職するデメリット
施工管理が発注者側に転職する場合には多くのメリットがありますが、少なからずデメリットも存在します。
転職した後に後悔がないよう、事前にデメリットは把握をしておきましょう。
職務内容の変化に伴うストレス
施工管理と発注者の業務内容は異なります。施工管理では現場での調整や監督が主な業務であるのに対し、発注者では設計や契約などの業務が求められます。業務内容の変化により、新しい業務に慣れるまでにストレスを感じる場合があります。
現場での経験を活かせない
発注者の業務には、施工管理で培った技術や知識を活かすことができない場合があります。発注者の業務は現場から離れたオフィスでの業務が中心であり、現場での経験を活かすことができない場合があるため、やりがいを感じにくい場合があります。
守秘義務の厳守が求められる
発注者側に転職すると、企業の内部情報に触れることが増えます。このため、守秘義務が厳しく求められます。施工管理では、情報公開の必要性が少なく、守秘義務が発生することが少ないため、不慣れな義務にストレスを感じる場合があります。
個人の判断で仕事を進めることができない
発注者業務は関係者が多く、意思決定に時間がかかります。施工管理では、自分の責任の範疇で判断して決定していたことも、発注者業務の場合は、各ステークホルダーへの説明と承認を取った上で進めていく必要があるため、施工管理に慣れている人はストレスに感じる場合もあります。
発注者側が求めるスキルは?
発注者側の企業はどのようなスキルを求めているのでしょうか?以下で発注者側の仕事に必要なスキルを紹介します。
段取りが出来る
発注者側は、プロジェクトを成功させるために様々なステークホルダーと調整する必要があります。そのため、複数のタスクを同時にこなし、段取りがしっかりと出来ることが求められます。
柔軟に対応できる
プロジェクトには様々なトラブルが発生することがあります。発注者側はそのようなトラブルに柔軟に対応できることが求められます。また、顧客やパートナー企業など、様々なステークホルダーとコミュニケーションを取ることがあるため、適切な判断力も必要です。
コミュニケーション力がある
発注者側は、建築プロジェクトに関わる関係者とのコミュニケーションを円滑に行う必要があります。そのため、コミュニケーション力が高く、関係者との信頼関係を築ける人が求められています。
発注者側への転職に役立つ資格
発注者側への転職に役立つ資格・スキルについては、以下のようなものが挙げられます。
一級施工管理技士
施工管理技士は、建築や土木工事において、品質や安全、進捗管理などを担当する技術者の資格です。発注者側の業務には、プロジェクトマネジメントやコスト管理が必要とされるため、一級施工管理技士の資格を持っていると有利になります。
一級建築士
建築設計や施工管理など、建築全般の専門家の資格であり、建築士法に基づいて国家資格として認定されています。発注者側には、建築物の管理や運営に関する業務が含まれるため、一級建築士の資格を持っていると有利となるでしょう。
RCCM
リスクマネジメントに関する資格で、一級建築士や一級施工管理技士を取得していることが前提条件となります。発注者側の業務には、リスクを管理し、トラブルを未然に防ぐことが求められるため、RCCMを持っていると有利となるでしょう。
技術士
技術士は、高度な専門知識と技術を持つ技術者の資格で、国家資格として認定されています。発注者側の業務には、技術的な判断や問題解決が求められるため、技術士の資格を持っていると有利となるでしょう。
建築積算士・建築コスト管理士
建築物のコスト計画や予算管理に関する資格で、建築士法に基づく国家資格です。発注者側には、建築物の建設費用や運営費用の管理が求められるため、建築積算士・建築コスト管理士の資格を持っていると有利となるでしょう。
発注者側の求人傾向
施工管理から発注者に転職を検討している人にとって、発注者側の求人傾向を知ることは非常に重要です。
発注者には、ディベロッパーやビルマネジメント会社、メーカー、建設コンサルタント、CM・PM会社、事業会社などがあります。
それぞれの業界で求められるスキルや経験は異なるため、自分が転職したい業界に求められるスキルや経験を把握しておくことが重要です。
不動産デベロッパー
ディベロッパーとは、建築物の開発や不動産の販売などを行う企業です。
発注者側の中でも、ディベロッパーは求人数が多く、転職しやすい環境にあります。
一方で、経験やスキルが求められるため、新卒での採用は少なく、中途採用が多い傾向にあります。
また、開発物件の種類によっても求人数が異なるため、自分が希望する分野に特化したキャリアパスを描くことが大切です。
ビルマネジメント会社の求人傾向
ビルマネジメント会社は、ビルの管理・運営を請け負う企業です。
ビルオーナーとの契約や施設管理、賃貸物件の仲介などが主な業務です。
発注者側の求人は、ビルマネジメント会社内での管理職が多いため、マネジメント能力やビジネススキルが求められます。
また、ビルの種類や立地条件によっても求人数が異なるため、自分が希望する職種や分野に合わせた求人情報を収集することが重要です。
メーカーの求人傾向
メーカーは、建築資材や設備機器を製造・販売する企業です。
発注者側の求人は、技術職が多く、施工管理から転職する場合には、製品開発や技術支援などの職種に就くことが多いです。
求人数はビッグメーカーほど多くはありませんが、高い技術力が求められる分野であるため、やりがいや将来性があります。
また、製品提案やサポート業務なども行うため、コミュニケーション能力も重要です。
建設コンサルタント
建設コンサルタントとは、建設プロジェクトにおいて、設計や施工監理、コストマネジメント、品質管理などの業務を行う企業のことです。
建築物の設計や施工監理に関する知識や技術が求められるため、施工管理から転職する人も多い職種です。
建設コンサルタント業界は、公共事業の発注が多く、政府関係や自治体からの受注が多いことが特徴です。
CM・PM会社
CM・PMとは、Construction Management・Project Managementの略称で、建設プロジェクトの全体的な管理を行う企業のことを指します。
建物の設計や施工だけでなく、スケジュール管理やコスト管理など、プロジェクトの全般的な管理を行います。
施工管理から転職する人も多いですが、企業ごとに業務内容が異なるため、求人情報をしっかりと確認することが重要です。
事業会社
事業会社とは、建物を所有し、管理・運営を行う企業のことです。
不動産会社や大手商社、投資ファンドなどが、オフィスビルやホテル、商業施設などを所有しています。
また、公共事業にも関わることが多く、国土交通省や都市計画部門などでも求人があります。
発注者としての業務だけでなく、建物の運営・管理に関わる仕事もあり、幅広い業務を担当することができます。
施工管理が発注者側への転職を成功させるコツ
実は、施工管理が発注者側への転職を成功させるためにはコツがあります。
施工管理から転職してくる同僚もこれらのコツをうまく応用して転職を成功させています。
施工管理から発注者側へ転職を検討している方はぜひ参考にしてみてください。
調整能力をアピールする
発注者側の仕事は、複数の業者や現場の管理者と折衝することが多く、スムーズにコミュニケーションを取る必要があります。そのため、調整能力が必要不可欠です。また、納期や予算の管理も重要なため、数字の取り扱いにも慣れておくことが望ましいでしょう。
プレゼンテーション能力をアピールする
発注者側の仕事には、提案書やプレゼン資料の作成・提出が含まれることが多いため、プレゼンテーション能力が求められます。自分の意見や提案を分かりやすく説明し、相手に納得してもらうための能力をアピールしましょう。
技術力をアピールする
発注者側の仕事には、現場での施工管理や工事監理など、技術力が求められる場面もあります。特に、建築・土木・設備に関する知識・技術は重要視されるため、技術力はアピールしましょう。
自己アピールする方法
では、自己アピールは具体的に何でアピールすれば良いのかを紹介します。
履歴書・職務経歴書を充実させる
自分の経験やスキルを分かりやすく伝えるために、履歴書や職務経歴書を充実させることが大切です。具体的な実績やプロジェクトの進行状況、担当した業務内容など、詳細に書き込むようにしましょう。
自己PRのコピーを考える
履歴書や職務経歴書に加えて、自己PRのコピーも用意することをおすすめします。自分がどのような人物で、どのようなスキルや経験を持っているのかを、端的に表せる言葉を用意しておくと、面接官にも伝わりやすくなります。
具体例を挙げる
自己PRの中で重要なのは「具体例」を挙げることです。自分のスキルや経験を具体的に説明し、それがどのように役立ったのか、どのような結果を生んだのかを説明しましょう。これにより、企業からも評価されやすくなります。
施工管理が発注者側へ転職する方法|まとめ
この記事では、施工管理から発注者側への転職を検討している人を対象に、発注者側への転職について解説してきました。
発注者側への転職のコツは、発注者側の立場から、自分がどのような価値を提供できるかを明確にし、具体的な実績や成果を示すことです。
施工管理から発注者側への転職を検討する際には、それぞれのパターンやメリット・デメリットを考慮し、自分自身のキャリアアップや成長に繋がる転職を選択するようにしましょう。
発注者への転職に強い転職サービスはこちらから。
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