目次
せめて人間らしい生活がしたい・・・
施工管理がプライベートを確保する方法を知りたいです。
こんな悩みにお答えします。
この記事でわかること
- 建設・不動産業界キャリア14年
- 元職人、元施工管理所長、元財閥系デベロッパー(転職3回)
- 一級建築士・一級建築施工・宅建士ほか
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施工管理って本当にプライベートの時間ないですよね。
まともな生活もままならないのが施工管理の仕事です。
早い話が、結局施工管理がプライベートを確保するには、現場から離れないとダメなんでですよね。
この記事では、施工管理のプライベートがない理由と、プライベートを確保する方法を”現実的”な視点で解説していきます。
5分程度で解決できるので、ぜひ読んでみて下さい。
こんな方におすすめ
- プライベートを確保して施工管理をしたい方
- 施工管理を続けるか悩んでいる方
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施工管理のプライベートがない理由11選
結論からいうと、施工管理のプライベートがないのは「現場」が原因です。
それぞれその理由をまとめました。
ここに必要な見出しを入れてください
- 労働形態
- 労働時間
- 現場の場所による
- 休憩時間はない
- 急な変更対応
- 休みは少ない
- 休みでも休めない
- 慢性的に人手不足
- 現場第一主義
- 結婚生活は難しい
- 働き方改革は効果なし
ひとつずつ見てみましょう。
理由①労働形態
施工管理の労働形態は配属の現場によりけりです。
例えば、新築RCマンションの場合は、月~土の朝から夜。
商業ビル改修の場合は、夜間や土日祝。
など、現場により仕事が出来る日や時間帯が変わります。
さらに、工程に余裕のある物件ならまだしも、大抵は工程に余裕のある現場ありません。
工程が厳しい現場は突貫になります。
切羽詰ると昼夜関係なく、交代制で現場を24時間動かしたりもしますよね。
つまり、施工管理の労働形態としては、一般職のような”土日休み”といった定休日はなく、現場の種類と工程で決まります。
理由②労働時間
施工管理の労働時間の実態は、就業規則と大きくかけ離れています。
規則上は8:00~17:00でも、実際は7:00~23:00などがほとんど。
残業が多い理由は、8:00~17:00は現場の仕事の時間だからです。
現場が動いていると言うことは、工場が動いているのと一緒。
工場全体を管理しないといけないのがこの時間の仕事です。
このとき行う業務の例はこのくらい
- 部材納期の確認
- 従業員(職人さん)の体調管理
- 従業員からの質問対応
- 製造の工程を従業員と調整
- 作業が予定通り進んでいるかのチェック
- 製品が品質基準どおり出来ているかのチェック
- etc
工場と例えるとなかなかの業務量です。
しかも工場と違って、作るものが自動化されてないのでベルトコンベア式に勝手に製品ができるわけではない。
現場が動く日中はまさに戦場です。
では事務仕事はいつやるか。
現場を戸締りした後ですね。
そこで落ち着いて仕事ができるかと言うと、そんなことはなくって、現場戸締り後に行うのは、
- 社内会議
- 事務所会議
- 業者打ち合わせ
- etc
この業務の後で、自分の仕事になります。
- 図面作成
- 指示書段取り
- 施工計画書作成
- 施主対応資料作成
- 社内会議用資料作成
- etc
これを行うと、7:00~23:00でも足りなくなります。
おそらく現場泊や徹夜は、経験していない施工管理はいないんじゃないかと。
これは特別工期の短い現場だからではなく、一般的な現場でこの状況です。
とにかく、施工管理の労働時間は業務量の多さと人材の少なさで必然的に長くなります。
理由③現場の場所
テレワークとか現場には関係ありません。
配属された現場が自宅から遠ければ、長時間の出勤時間をかけて、毎日現場に向かう必要があります。
労働時間が長いこともあり、自宅から1時間以上離れてしまうと、現場に泊まる回数も増えてきます。
これも配属の現場によって自分のプライベートが左右される典型的な例です。
理由④休憩時間はない
一応、就業規則上は昼休みがあります。
労働基準法上も休憩を設定しないといけないので。
しかし実態は休憩時間は無いです。
昼飯を食べれないことも良くありますし、食べれても仕事しながら。
その理由は、休憩時間は職人さんとの打ち合わせ時間や手配確認の時間になるからです。
工程の進捗確認や、計画の変更についての情報共有など、早いタイミングで打ち合わせをしないと手戻りが発生しますし、職人さんは請負なので仕事の手を止められるのは生活に関わります。
だから休憩時間に打ち合わせを行うことになります。
理由⑤急な変更対応
当初の計画通りに竣工できる現場はないでしょう。
必ず変更が発生します。
それも、施主や設計からの「急な変更」に対応することも多々あります。
その内容は、
- 仕様の変更
- 納まりの変更
- 書類内容の変更
などなど。
変更があると、当初予定していた業務を段取りしなおす必要があります。
しかも「明日までに...」「今週中に...」のような期日がギリギリの事も当たり前にあります。
これによって仕事の優先順位が入れ替わり、また帰れない時間まで仕事をすることになります。
理由⑥休みが少ない
そもそも施工管理は休みが少ないです。
国土交通省のデータ(建設業における働き方改革)でも、他産業より29日/年も休みが少ないのが建設業です。
さらに有給の取得もしづらい環境は未だにあります。(JCU日建協2019年時短アンケートダイジェスト)
この辺は、「施工管理はやめとけ」は信じていいのか|元20代所長が実態を解説で詳細を解説しているので、ぜひ参考にしてください。
「祝日は現場の進捗次第で休む」といったところです。
理由⑦休みでも休めない
問題はこれです。
休みでも休めない。
今は働き方改革のせいで、休みを取るよう会社から指示があります。
これは社員に休暇を取得させないと会社が罰せられるからです。
そのため、半ば強制的に休みを取ることになるのですが、これは嬉しいことではありません。
なぜなら、仕事が終わっていないから。
普段から人手不足で仕事に追われているのに、仕事を休んだらどうなるか。
- 仕事が止まる
- 現場が止まる
そうならないためにも、勤怠上は休みにして、仕事に出ることが多くなります。
さらに、天候によっても休みは休みではなくなります。
休みの日に強風が吹いたり、雷雨や雪があった場合は、状況確認のため現場に行かなくてはなりません。
つまり、現場を担当している限りプライベートの間も常に仕事が尾を引いている状態ということです。
理由⑧慢性的な人手不足
施工管理って常に求人がありますよね。
これは人手不足の証拠です。
理由は「3K」ということの他にも、こうしたプライベートの取れない実態が今の時代の働き方に則していないからかと思います。
テレワークや在宅勤務が広まりつつある今に、長時間労働や長時間出勤が必要な仕事を選択する事は非合理的であることは明らかです。
ちなみに、今この時代に超長時間労働をすることは、今の時間を失っている以上に将来のリスクを高めていることを知っていますか?
01|自己投資をしないと自分も家族も守れない時代に、超長時間残業とキャリアを考える【”自己投資時代”の建設キャリア】
この機会にもう一度自分のキャリアと長時間労働を考えてみてください。
理由⑨現場第一主義
サラリーマンの施工管理の身としては、出来れば仕事とプライベートは切り分けたい。
しかし、それは現場がある限り不可能です。
なぜなら施工管理は現場第一主義だからです。
例えば、工程が遅れて引き渡しに間に合わない。
台風などで事故が発生する。
こういった事象がおきてしまうと会社に多大な影響があるほか、担当の施工管理の責任も厳しく追及されます。
また最も起こってはいけないのが、現場内の事故で第三者や職人、社員が命を落とすことです。
一般の内勤の人は「職場で命を落とす」なんて事を想像したこともないと思いますが、現場は日々命の危険と隣り合わせです。
こういったことを起こさないためにも、プライベートよりも現場を優先して仕事を行う。
この考え方は私は”致し方ない”と考えています。
ですから、現場に入る以上、プライベートを確保できないのは覚悟する必要があると言う事です。
参考建設業は終わってる?6つの理由と将来性と辞めるタイミング|元所長が解説
理由⑩結婚生活は厳しい
正直、施工管理で結婚生活を続けるのは難しいです。
子供がいたらなおさらです。
施工管理はプライベートもなく、仕事が優先。
平日は帰ってこないし、休日も何かあれば仕事。
子育てには当然参加できないし、子供の行事に参加できないこともたびたび。
施工管理の離婚率が高いのは、プライベート度外視で仕事をしなければならない状況が原因でしょう。
結果、施工管理は辞めてよかったです。
関連記事施工管理を辞めてよかった?辞めた6つの理由と体験談|ゆとりは手に入る
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理由⑪働き方改革は効果なし
施工管理の働き方改革は、超長時間労働の建設業界の火に油を注いだ形です。
働き方改革によって「休めないのに、休まないといけない」状況になったことで、サービス出勤やサービス残業をする人が増えています。
建設業関係者8500人の日建協アンケートでも
- 会社や上司から仕事の状況を考慮しない時短の指示がある。33.1%
- 勤務時間の申告に自主規制の圧力がある。27%
- 仕事が終わらずサービス残業をいている。25%
と、逆効果であることを明らかにしています。
(JCU日建協の2019年時短アンケートダイジェストより)
参考施工管理は働き方改革で変われるのか?【業界11年経験者が解説】
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施工管理は働き方改革で変われるのか?キャリア13年のプロが解説
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働き方改革に希望を持っていて委ねていては手遅れになるということに気付きましょう。
こんな理由から、施工管理はプライベートの確保がかなり難しいです。
ではどうしたら施工管理のプライベートの時間が取れるのか、次で説明していきます。
施工管理のプライベートを確保する方法5選
ではこんな厳しい現実の中で、施工管理がプライベートを確保するにはどうすればいいか。
私の経験からご紹介します。
施工管理のプライベート確保方法
- 我慢する
- 昇進する
- 異動する
- 転職する
- 仕事を辞める
結局、整理すると取れる選択はこれしかないです。
ひとつずつ説明しますね。
①我慢する
施工管理のこの現状に我慢し続けて、将来プライベートが確保できることをひたすら祈る。
今は比較的建設業もITが進んできていて、将来的には色々な業務が自動化されていくと思っています。
理由はこちら。
この例は木造ですが、いずれS造やRC造も工業製品化していくはずです。
そうなれば、施工管理の働き方も今とは全く異なるものになると感じます。
つまり、施工管理もプライベートを持てる日が来る。
とはいえ、それが実現するのは何年後でしょうか。
来年や再来年にそうなるとは到底思えません。
コロナの影響で世の中の働き方は大きく変わりましたよね。
建設業はどうでしょうか?
コロナほど大きな影響でも、建設業の働き方を変えるまでには至らなかった。
とすると、コロナより大きな何かがないと建設業は変わらないということです。
なので施工管理でプライベートを確保できるようになるのは、早くて10年後くらいかなぁと想定してます。
建設業のDX化が進むのと、大きな社会現象が起こる事を考えるとそのあたりが妥当です。
つまり、今のプライベートがない状態に留まっているということは、今のプライベートを殺して、10年後に来るか分からない未来に賭けている。
ということになります。
-
施工管理の将来性は?最新の動向・展望を解説|おすすめの施工管理の始め方も
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③昇進する
昇進して、現場担当から外れれば場合によってはプライベートが確保できる会社もあると思います。
しかし、逆により責任が重くなり、仕事がキツくなる会社もあるんじゃないでしょうか?
その上司がプライベートを確保できてそうなら、希望があります。
何年でそこにたどり着けそうか逆算して、精一杯昇進を目指しましょう。
ただし、昇進したときに今の上司のように働けるとも限らないので、そこは自身のリスク判断ですね。
③異動する
実は、内勤に異動すれば比較的プライベートは容易に確保ができます。
理由は、現場から離れるからです。
施工管理のプライベートがない11の理由で紹介した内容は全て”現場”が原因。
原因から離れれば、当然問題は解決します。
残念ながら、現場から内勤に移るとやはり年収は下がる企業が多いです。
しかし、キャリア的には悪いことばかりではないです。
現場のキャリアを活かせる内勤業務は結構多くて、
- 施工計画
- 品質管理
- 安全管理
- 発注積算
- etc
などは施工管理のキャリアも活かせます。
こういった部署に異動できれば、プライベートも確保して技術者としてのキャリアも積めるので、勇気を出して異動願いを出すのも手です。
\ 具体的にはこちら /
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④転職する
これは3つの選択肢があります。
施工管理のプライベート確保転職
- ホワイト施工管理へ転職する
- 発注者へ転職する
- 他業界へ転職する
一応、③の”他業界への転職”もありますが、ここでは省きます。
現実的に選択できるのは上の2つですね。
施工管理の転職時の悩みで多いのは、
というリスクです。
私がプライベートを確保する転職活動をどのように行ったかはこちらを参考にしてみてください。
参考子育てを理由に父親になる私は転職した|元施工管理の転職エピソード03
せっかくリスクを取って転職したのに、状況が変わらなかったら意味ないですよね。
であれば、確実にプライベートを確保できる職種に転職活動をするべきです。
その選択肢が、
- ホワイト施工管理
- 発注者
です。
ホワイト施工管理
という方は、施工管理でもホワイトなのはこの業種!業界13年のプロが公開を見てみてください。
あります。
求人を確認してみましょう。
ただ、ひとつ注意点があります。
求人票の内容は信じちゃダメ!
求人では「プライベート充実」のような記載をしていても、実情は全く違うこともあります。
「入らないと分からないこと」が多いのが転職のデメリットです。
だから施工管理の転職は情報の仕入れ元がすべて。
情報は慎重に収集しないと失敗します。
ちなみに、情報収集の仕方は以下。
- 自分で情報収集:転職口コミサイト
- 依頼して情報収集:転職エージェント
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発注者
発注者に転職すれば、施工管理よりずっとプライベートを確保できます。
発注者によっては年収アップも十分見込めます。
参考までに、デベロッパーに転職したら施工管理時代から残業時間は1/10になり、年収は60万円アップしました。
グラフにするとこんな感じです。
ただ、発注者への転職は自分だけではかなり厳しいです。
失敗して後悔しないためには素直に転職エージェントを利用した方が身のため。
コツや戦略をレクチャーしてくれます。
【完全ガイド】現役技術職9人に聞いた不動産デベロッパーへの転職方法|求人が見つからないときの対処法も
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⑤仕事を辞める
最後の選択はこれです。
我慢も、異動も、転職も出来ないとなれば、プライベートを確保するには「辞める」しかないです。
仕事を続ける続けないは、人それぞれの価値観です。
仕事に追われる人生を続けるか、一度リセットして別の人生を始めるか。
今の時代、フリーランスでも生活している人は大勢います。
もし休めるのであれば、疲れたら休んでOKなんです。
施工管理がプライベートを確保する方法5選|まとめ
ではこの記事のポイントをまとめします。
この記事のポイント
施工管理のプライベートがないのは”現場”が原因
施工管理がプライベートを確保する方法は
-
- 10年我慢する
- 目指すポジションまで昇進する
- キャリアを活かせる部署に異動する
- ホワイト施工管理に転職する
- 発注者に転職する
- 仕事を辞める
施工管理はビジネスモデル上、現場担当には重い責任と膨大な業務量がのしかかります。
そのため、施工管理をしている以上、プライベートが削られていくのは致し方ないことです。
この施工管理のプライベートを確保するためには、状況が変わるのを待つか、自分で変える以外に方法はないです。
とはいえ、異動を希望するのは心理的ハードルが高いですし、転職だとなおさら不安です。
その場合は、友人やキャリアアドバイザーに相談するのもひとつの手です。
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