目次
まずは『転職の思考法』がざっくりどんな本か紹介します。
何が書かれた本か
- 現代の転職の本質的な考え方
- 人生のキャリアプランの考え方
- 具体的なキャリアアップの戦略
本書は今の時代の働く人全員が持つ悩み答えが書かれています。
最近は、どのベストセラー本でも「転職時代」「副業時代」「個の時代」と言われて、働き方や生き方が大きく見直されています。
その現代キャリアを生きる全てのサラリーマンが一度は読んでみて欲しい本です。
「これからの時代を生き抜くためのキャリア形成をどうしていくか。」
それに対する答えが具体的に示されています。
10年20年経っても色褪せないような本質的な内容ですので、読んで損はしないです。
この記事では、『転職の思考法』の”まとめ”と”実践手順”をわかりやすく要約していきます。
この記事でわかること
5分程度で読めます。
ではよろしくお願いします。
こんな方におすすめ
- 会社選びに迷っている人
- 市場価値を高める方法を知りたい人
- 自分のキャリアの方向性を定めたい人
- 今の仕事を続けてていいのか心配な人
合わせて読みたい
『転職の思考法』キャリアアップの4ステップ
『転職の思考法』から学び、キャリアアップを実践する方法は以下の4ステップです。
キャリアアップの4ステップ
- マーケットバリューの3つの軸を知る
- マーケットバリューの高め方を知る
- 自分に合った働き方を知る
- 『転職の思考法』を実践する
これを知ることで、現代でキャリアアップしていけるようになります。
かんたんに言うと、「市場価値を高めて、成長産業へ何回も転職する」ということです。
これが出来るようになるのが、『転職の思考法』を学び実践した効用です。
その具体的な方法を次の章からひとつずつ解説していきます。
STEP1:マーケットバリューの3つの軸を知る
マーケットバリューとは、直訳すると「市場価値」です。
市場価値の考え方として、まず私たちサラリーマンは1つの商品だと考えます。
それと同じで、自分という商品の価値が高ければどこでも転職できると言うことです。
逆にマーケットバリューが低ければ、リストラ・倒産=キャリア終了になります。
しかし、これも自分のマーケットバリューがしっかりしてれば別に関係ない話です。
リストラされようが終身雇用が終わろうが、
ってできるんで。
だからまずは自分のマーケットバリューを知ること。
そして高めること。
これが第1ステップです。
では、どのようにあなたのマーケットバリューを知るのか、その方法を解説します。
マーケットバリューの3つの軸
あなたのマーケットバリューを測るためには、3つの軸を知る必要があります。
マーケットバリューの3つの軸
- 技術資産
- 人的資産
- 業界の生産性
これらはザックリ以下のイメージを持ってください。
技術資産
どんな会社でも通用するスキルのこと
人的資産
どの会社にいても仕事をもらえる人脈力のこと
業界の生産性
自分のいる業界がどれだけ儲かるかということ
それぞれ詳しく解説していきます。
技術資産
技術資産はさらに2つの種類に分けられます。
技術資産の2つの分類
- 専門性
- 経験
専門性
職種のスキル(営業・施工管理ほか)のこと
経験
職種に関係なく発揮される経験(マネジメント・事業企画ほか)のこと
このうち、他社でも通用するものだけを、技術資産と呼びます。
この専門性と経験は、年齢によって身につける時期を分けた方がいいと言われます。(20代は専門性、30代以降は経験)
その理由は、単純に両方同時は難しいからです。
専門性と経験の両方を獲得できる職種
一般的に専門性と経験を同時に獲得するのは難しいと言われますが、この両方を獲得ができる職種があります。
それが施工管理です。
施工管理の場合は、
専門性
- 施工計画
- 工程表
- 施工図
- 納まり図面など
1から自分で作れるものは専門性の技術資産。
経験
- 安全管理
- 工程管理
- 品質管理
- 原価管理
で行われる、職員や協力業者のマネジメントは経験の技術資産です。
施工管理はこの両方を同時に成長させていく必要があるので、やり切れれば市場価値は一気に高まります。
その代わり、難易度や忙しさはSUPER HARDモードです。
だから施工管理をスキルアップのためにやるなら、やった方が良いですが、”給料”や”やりがい”のためにやるなら、施工管理はやめとけ。としています。
【参考】「施工管理はやめとけ」は信じていいのか【業界11年の元所長が解説】
人的資産
早い話、人的資産は人脈です。
人脈を作るにはコミュ力が必須。
ただ、厳密にはコミュ力があるだけじゃダメ。
コミュ力という武器を使って、結果として自分に仕事をもらえるようになる。
そういう人脈を築けている場合に、それは人的資産であると言えます。
施工管理に置き換えれば、お施主さんとの関係性。
お施主さんは、単なるそのプロジェクトの発注者だけでなく、あなたのパトロンにもなってくれる可能性が高いです。
業界の生産性
あなたの働いている業界が儲かっていれば、あなたの仕事で生み出す利益も大きくなります。
つまり、マーケットバリューが高まります。
例えば、
不動産業界が高年収なのは、ひとつの仕事の単価も粗利も高い。
(ひとつのプロジェクトの粗利がザックリ1億だとします)
逆に飲食系が年収が低いのは、ひとつの仕事の単価も粗利も低め。
(ひとりのお客さんに対する粗利がザックリ1000円だとします)
不動産と飲食での粗利の額の差は10万倍です!
厳密には違いますが、マーケットバリューへの影響のイメージはこうです。
給料の高い低いっていうのはこの業界の生産性、その業界が儲かる業界かどうかで大半決まってしまいます。
なので自分の年収を上げたいのであれば、儲かる業界もしくは急成長してる業界に所属することが求められるわけなんです。
STEP2:マーケットバリューの高め方を知る
3つのマーケットバリューの高め方は3つに分けられます。
マーケットバリューを高める方法
- マーケットを見て仕事をする
- 仕事のライフサイクルを知る
- ピボット型キャリアを目指す
「技術資産」「人的資産」はマーケットを見て仕事をすることで高まります。
「業界の生産性」は仕事のライフサイクルを理解することで業界を見極める基礎ができます。
その上で、ピボット型のキャリアを積むことでマーケットバリューは高まります。
では具体的に解説していきます。
①マーケットを見て仕事をする
結論、マーケットを見て仕事をすることで、技術資産・人的資産を積み上げることができます。
具体的には、お客さんに価値を提供することを第一に考えて仕事をするということです。
理由は、
- 社内を見ている人は、他社では通用しない
- マーケット(お客)を見ている人は、他社でも価値ある仕事ができる
からです。
例えば社内を見ている人は、「上司・同僚に褒められよう」「怒られないようにしよう」とか、そういう意識で仕事をしています。
その動機では、社内にしか価値のない仕事に注力してしまいがちです。
それでは他社で同じことをしても、全く価値提供できない。
しかしお客さんを見ている人は、「どうするとお客さんは喜んでくれるか?」そういう意識で仕事をしています。
この動機だと、自分の仕事が社内でなく、お客さんに価値提供できるようになります。
その過程で当然、「技術資産」は積み上げられていきます。
さらにお客さんに価値提供をするほど、人的資産も自然に形成されていきます。
これなら、他社に行っても同じ事をすれば、価値ある仕事ができます。
つまり、マーケットを見て仕事をすれば自然と「技術資産」「人的資産」が高まるということです。
マーケットを見て仕事をするジレンマ
余談ですが、マーケット(お客さん)を意識して仕事するとなぜか社内の人に批判されたり摩擦が起こりやすくなります。
大企業にありがちですが、色んな方々が「勝手なことするな」と「余計な仕事を振るな」と批判してきます。
なので正直結構きついですけど、そういう摩擦も乗り越えながらお客さんが求めることを目指すことで自分のマーケットバリューはグングン高まっていくわけです。
マーケットを見続けるのは難しい
マーケット(お客さん)を見て仕事するのは大事ですが、残念ながら9割の方ができてないことだと思います。
というのも、
”お客さんの生の声を聞く機会が圧倒的に少ない。”
それでいて、
”自分の上司とか社長の指示とかは数時間に1回くらいのペースでバンバン入ってくる。”
となると当然社内の声に影響を受けやすくなります。
だから、できていなくて当然なんです。
しかし、自分が所属する会社にばかり貢献していても、マーケットバリューは高まりません。
すでに会社が社員を守ってくれていた時代は終わっています。
会社を使って自分のマーケットバリューを高めることを意識しないと、将来不幸になります。
【参考】【要約・図解】LIFE SHIFT/ライフシフトに学ぶ|ワークライフバランスがないと不幸になる
終身雇用が約束されている30年前だったら、会社にズッポリはまるのも生きる道の一つだったかもしれません。
しかしそんな時代はとっくに終わってしまってますね。
どこの会社も私たちを将来まで面倒を見てあげようなんて気はないですし、そもそも会社がなくなっているかもしれない。
そういう不安定な時代になったからこそ、会社じゃなくてお客さんが喜ぶ仕事をしないとダメです。
②仕事のライフサイクルを知る
「仕事のライフサイクル」という思考法を知れば、業界の生産性を見極められるようになります。
仕事は一生あるものではなく、生まれてから消滅していくライフサイクルがあります。
それが、ニッチ→スター→ルーティンワーク→消滅です。
ニッチ領域
雇用の数も少なく、替えも聞かない少数の領域が生まれる
スター領域
ニッチ領域に多くの人や企業が参入し、替えは効かないが雇用の多い儲かる領域になる。
ルーティンワーク
仕事がシステム化され、誰でもこなせる領域となる
消滅
可能な限りコスト削減を図るため、機械に代替。仕事が消滅する
つまり
ニッチ | 寿命も長く、拡大のチャンスもあり |
ルーティンワーク | 寿命短く、消滅のリスクあり |
この仕事のライフサイクルを前提にすると、ニッチ領域やスター領域に身を置くといいのことがわかりますね。
時代の流れが早い現代では、この仕事のライフサイクルも非常に早くなってます。
現在の企業の寿命は24年、私たちの労働寿命は50年と言われますから、最低でも2社以上で働くことは確実です。
自分の仕事のライフサイクルを意識していないと、気が付いたら「賞味期限切れ」という可能性もあります。
「キャリア形成」は”賞味期限切れの商品”にならないための戦略なので、自分が心配な人は、【保存版】キャリア形成はなぜ必要?|転職に必要な考え方と3つのポイントも参考に読んでおいてください。
-
【保存版】キャリア形成はなぜ必要?|転職に必要な考え方と3つのポイント
続きを見る
③ピボット型キャリアを目指す
仕事のライフサイクルを前提に、ピボット型のキャリアを目指すことでマーケットバリューは高められます。
その戦略はズバリ以下です。
スター領域に拡大する仕事にキャリアステップし続ける
それを可能にするのが、この本で紹介されているピボット型キャリアです。
ピボットっていうのはビジネス上では方向転換という意味で使われます。
つまり、ピボット型キャリアっていうのは、自分が所属している業界が死んでしまう前に伸びる業界にどんどん転職していく、軸足をずらしていくっていうキャリアの進め方です。
このピボット形キャリアの実現には以下のことが推奨されています。
片足は今の会社に置いておきながらも、常にもう一方の足はこれから伸びる業界を探して絶えず探し続ける。
つまり、企業で働きながらも次の転職を視野に、求人をチェックしておけ。
とそういう意味です。
経済的成功を得る2種類のサラリーマン
この本の中では経済的に成功するサラリーマンには2パターンあるという面白い話が出てきます。
- Aランク:成熟市場で1番を目指す秀才
- Sランク:成長市場に1番に飛び込む先行者
Aランクの人は、伸びきった巨大市場に飛び込んで、100万人くらいの大勢の中でしゃかりきに働いて1番を目指す人です。
これを目指す人は非常に多いです。
既存のルールに則って勝負する部分が、受験勉強に慣れている日本人には馴染みやすいからですね。
ただ、この成熟市場に飛び込んで勝つ人は、圧倒的な努力と、一定の運も必要になってきます。
一方で S ランクの人っていうのは、これから伸びるであろう市場にまだ人がいない時に一番乗りしてる人です。
例えばネットバブルより前に IT業界に入り込んだような人とかですね。
これからグイグイ成長する業界に入り込むSランクの人達は、 A ランクと言われるような人たちとは比べ物にならないくらいの経済的成功を手にしています。
残念なことに、圧倒的な努力を続けたAランクの優秀な人たちよりも、普通の人が成長市場に先行して入った人たちの方が経済的に豊かだったりします。
STEP3:自分に合った働き方を知る
『転職の思考法』キャリアアップのSTEP3は自分に合った働き方を知ることです。
仕事に”希望”や”やりがい”を軸に仕事選びをするのは、残念ながら間違いです。
仕事にやりがいなんてないです。
本書はそう説明してます。
なぜか?
理由は、仕事は「目的」でなく「手段」でしかないからです。
本書では人は2つの型があると紹介さてれいます。
その2つの型のどちらであっても、仕事は自分の理想を実現するための単なる手段と捉えられます。
ToDo型とBeing型
まず前提として、本書には2種類の人間がいると書かれています。
2種類の性格
- ToDo 型人間:何をするかを重視する
- Being型人間:どんな状態でありたいかを重視する
ToDo型人間は、”人生をかけて成し遂げたいこと”が明確にある人です。
例えば「今までにない商品を生み出したい」とか、夢とか理想とかがある人のことを言います。
Being型人間は、”自分がどんな状態でありたいか”を重視するような人です。
例えば「気持ちよく働きたい」とか、特別な夢や理想はないけど「ゆとりある生活はしたいなぁ」と思っているような人たちを言います。
この『転職の思考法』にも、世間にいるサラリーマンの99%がBeing型だと書かれています。
そこで、次からはBeing型の人に合った働き方解説していきます。
Being型の働き方
Being型のサラリーマンが何に気をつけて働けばいいのかは以下の2つになります。
Being型が幸せに働く条件
- 自分にとってちょうどいい仕事か
- 自分の事を信じられる仕事か
もう少し詳しく説明していきます。
①自分にとってちょうどいい仕事か
要はかんたんすぎる仕事もダメだし難しすぎる仕事も駄目ってことです。
ギリギリだけど最終的には達成できる。その状態だと楽しくて幸せに働くことができる。
本書の内容で言えば、自身のマーケットバリューと職場から求められるバリューがマッチしてると幸せに楽しく働けるということです。
ちょうどいい仕事というのは、緊張する仕事と余裕な仕事のバランスが良い仕事のことです。
基本的に自分の実力なら余裕でこなせる仕事が普段であって、2ヶ月に1回ぐらい本気を出さないとやり遂げられない緊張感のある仕事が来ると、環境的にかなり楽しめるそうです。
良い緊張と悪い緊張
ちなみに私たちBeing型が楽しめるのは良い緊張だけです。
良い緊張っていうのは社外で生まれるものを指します。
例えば、ライバル会社とのコンペや得意先との交渉など。
そういう会社の外で発生するもの、こういう緊張は仕事にメリハリを与えてくれます。
一方、悪い緊張っていうのは会社内で生まれるものを指します。
例えば上司のプレッシャーとか過酷なノルマとかそういうものです。
良い緊張は自分自身の成長に繋がるケースも多いですし、何より一過性のものが多いのでずっと緊張を強いられるみたいなことになりにくい。
悪い緊張っていうのは、とにかくメンタルを追い詰めるものや、逃げ場がなかったりするものが多いのでこういうタイプの緊張は毒にしかならないです。
②自分のことを信じられる仕事か
Being型の人間が幸せに働くための条件の2つめは、自分を信じられる仕事かどうかです。
要するに、自分にウソをつかない仕事かどうかです。
例えば、営業で心からおすすめできる商品なら、お客さんに使ってもらいたいですよね。
一方で、「こんな商品…」という意識なら、自分にウソついて仕事をしている状態です。
この状態だと、メンタル的にどんどん苦しい状況に追いやられます。
だからBeing型の人間は本当に自分の行いを信じられる仕事をすることがおすすめされています。
STEP4:転職の思考法を実践する
『転職の思考法』キャリアアップの最後のSTEPはSTEP3までを理解した上で、『転職の思考法』を実践することです。
ここまでのSTEPをもう一度確認すると以下のようになります。
step
1マーケットバリューの3つの軸を知る
- 技術資産
- 人的資産
- 業界の生産性
step
2マーケットバリューの高め方を知る
- マーケットを見て仕事をする
- 仕事のライフサイクルを知る
- ピボット型キャリアを目指す
step
3自分に合った働き方を知る
- 自分にとってちょうどいい仕事か
- 自分のことを信じられる仕事か
これらを実践するには、
- 伸びるマーケットを見極めて
- 自分に合った会社を選んで
- ピボット転職をしていく
ことです。
ここからは、その具体的方法を解説します。
①伸びるマーケットを見極める
伸びるマーケットを見分ける基準は大きく2つあります。
伸びるマーケットを見極める基準
- 複数のベンチャーが伸びている
- 既存業界の非効率を改革している
この2つの基準を満たしたマーケット(業界)が伸びるマーケットです。
仕事のライフサイクルで言う、ニッチからスターに変わっていく業界ですね。
複数のベンチャーが参入し、各社が伸びてる業界を狙う
1つめの基準は、複数のベンチャーが伸びているマーケットを狙うことです。
理由は、ベンチャーはマーケットの流れを先読みして、スピーディに対応するしか生き残れないから。
ベンチャー企業っていうのは一般的にまだ資本力資金がないので普通は大手企業に勝てません。
ベンチャーが生き残るすべは、大手の参入していない領域で圧倒的に勝つこと。
つまり、伸びるマーケットを先取りすることです。
だからベンチャー企業が参入して、どこも伸び始めているっていう時点でその業界自体は今後伸びる可能性が高いんです。
では、どのようにベンチャーが伸びているマーケットを見つけるか?
具体的方法は、”何かこれから来そうなキーワード”×”ベンチャー”でGoogle検索する。
これだけ。
ここで複数のベンチャー企業が検索結果にヒットします。
あとはその検索結果に出てきたベンチャー企業のWebサイトをよく見る。
各社の業績が伸びていれば、さらに拡大する業界である可能性が非常に高いです。
既存業界の非効率を改革している業界
伸びるマーケットの見極め方の2つめは、既存事業の非効率を改革している業界です。
既存業界の非効率を改革する事業は、今後伸びる新しい業界が生まれやすいと言われています。
例えばスタディアプリなどのWeb教育サービス。
同じ授業を同じ先生が何度もやるって実は非効率でした。
そこで今、その非効率を改革するスタディサプリなどのWeb教育サービスが次々と生まれて、業界としての伸びは目覚しいです。
こういう市場規模としては大きいけれど、業界が古いので非効率がいっぱいあるって言うところには今後伸びる新しい業界が生まれてきます。
②伸びるマーケットの中で会社を選ぶ
伸びる市場がわかったところで、ではその中でどの会社を選べばいいのでしょうか?
本書ではその基準も紹介されています。
会社を選ぶ3つの基準
- マーケットバリューが高まる
- 働きやすさもある
- 活躍の可能性もある
まず大前提はマーケットバリューの高い仕事ができる職種で、これは言うまでもないですね。
次に働きやすさ。
実は働きやすさも、マーケットバリューの高い仕事の方が働きやすいことが多い。と本書では書かれています。
その理由は、マーケットバリューの高い人間は、価値提供する仕事にコミットします。
だから、仕事をするに当たっての障壁がないんです。
マーケットバリューのない人が集まると、バリューを高める仕事の邪魔ばかりしますよね。
価値を生む仕事をどんどん進める。そんな組織の中に飛び込めば、自分のバリューを高めつつ価値提供ができるようになる。
それが結果的に働きやすい職場になると言う考え方です。
3つ目の基準は”活躍の可能性”です。
活躍の可能性を探るには、以下の3つの質問を面接でぶつけるのが王道です。
- 「どんな人物を求めていて、どんな活躍を期待しているか?」
- 「社内で活躍し評価されているのはどんな人物か?なぜ活躍しているのか?」
- 「中途で入った人で活躍している人のキャリアパスと担当業務は?」
この3つの質問で自分が活躍できるイメージを持てれば、活躍の可能性が高いと言えます。
ただし、3つの質問すべての回答が、採用HPに掲載されていることもあるので、しっかり企業研究してから質問した方がいいでしょう。
採用HPに記載がある場合は、そのHPの内容を見て出た疑問や、確認しておきたいことを面接で聞くのが効果的です。
③ピボット型の転職活動をはじめる
伸びるマーケットで自分に合った会社の目星がついたら、実際に転職活動をはじめましょう。
はじめるに当たっては、企業がなぜビズリーチ・リクルートエージェントなどの転職サービスを利用するのかを理解する必要があります。
企業が転職サービスを利用する理由は”採用コスト”の考え方です。
企業にとっては、採用コスト順に以下のような採用チャネルがあります。
採用チャネル
- ヘッドハンティング
- 転職エージェント
- ダイレクトリクルーティング
- SNSなどのマッチング
- リファラル(紹介)や直接応募
転職エージェントの代表はリクルートエージェントやdodaなど。
ダイレクトリクルーティングの代表はビズリーチなど。
企業がなぜコストをかけて転職サービスを利用するかというと、
- 求職者の質を高めたい
- 自社では人を集められない
といった2つの理由があります。
人を集められる企業で条件の良い求人の場合は、大量の応募が来てしまい、その中から良い人材を見つけるのはかなりの労働コストがかかります。
採用に当たっての労働コストを転職サービスを使うことで軽減しようというのが目的の1つ。
逆に自社で人が集まらない場合は、どうにかして求職者に応募してもらわないといけません。
そこで転職サイトや転職エージェントに紹介をしてもらうことで、求職者を集める必要があります。
これらの求人は「人が集まらない」。つまり、人気のない求人と言うことです。
そのような求人の場合は、「今後伸びる会社だが知られていない」か「ただのダメな会社」かのどちらかです。
「ただのダメな会社」は採用基準が低いので、ダメな転職エージェントが入れたがるので注意しましょう。
つまり、マーケット選び、会社選びを自分で行ったら、良い転職エージェント利用して、しっかり自分で転職する企業を見極めることが大事です。
転職で失敗しないためには、転職エージェントを間違えずに選ぶことが重要になるので、以下の記事は参考に読んでおいてください。
【参考】【9割が知らないウラ事情】失敗しない転職エージェントの選び方|8つのポイント
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【9割が知らない】建築・建設系の転職エージェントの選び方|8つのポイントと業界ウラ事情
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『転職の思考法』に学ぶキャリアアップの実践方法|まとめ
ではこの記事のポイントをまとめます。
転職の思考法のポイント
- キャリアアップは4つのステップ
- マーケットバリューの3つの軸を知る
- マーケットバリューの高め方を知る
- 自分に合った働き方を知る
- 転職の思考法を実践する
『転職の思考法』に書かれている「ピボット型キャリア」っていうのは、50代60代の方にはあまり馴染まない考え方かもしれません。
キャリアを積む上で、人によっては反対されることも多いかもしれません。
しかし、時代の変化が早い今の時代には過去のキャリア形成では”賞味期限切れ”になるのは明らかです。
ただ一点言えるのは、この『転職の思考法』のキャリアには”ゆとり”はないかもしれません。
本書の転職先の選び方は、市場価値の高め方としては間違いないですが、自分の生活のゆとりという視点では、自分の時間を獲得するのは難しいです。
その理由は、本業に全振りした職業選択だからです。
【要約・図解】LIFE SHIFT/ライフシフトに学ぶ|ワークライフバランスがないと不幸になるで解説したベストセラーのLIFE SHIFTにも書かれているのですが、今の時代は「無形資産」に投資しないと不幸になります。
本書のキャリア形成は、LIFE SHIFTでいう「有形資産」と「無形資産」を本業の中で作っていくしかないように思います。
その点は十分理解した上で、これからどんなキャリアを積んでいくかは選択していって欲しいと思います。
では、今回はこの辺で。
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